磐梯山に雪 例年よりかなり早い

福島自然環境研究室 千葉茂樹

 29日の朝、自宅前から磐梯連峰を見上げると、雪で白くなっていました。 

白くなった磐梯連峰

 私は1985年から麓で暮らしています。そのころは最近よりずっと寒く、通常は11月上旬に磐梯連峰の山頂部に雪が降り、中旬に麓の町に雪が降り、下旬に根雪になるというパターンでした。95年頃からこのパターンが崩れ、真冬でもかなり暖かくなりました。ところが、今年は10月下旬に山に降雪です。

 また、ここ10年は寒暖の差が大きくなり、昔のパターンではなくなりました。2017年には10月30日に麓の猪苗代町でも「降雪が10cm」と、降雪が異常に早い年がありました。とにかく、最近は「例年通り」ではなくなりました。

 22日のネットニュースで、「磐梯連峰の紅葉がまだら」と書きました。
紅葉が進む磐梯山、何かおかしい紅葉

 ところが、その直後から「冷たい空気」が一気に流れ込み、紅葉を通り越してすぐ落葉となってしまいました。写真の高い木は、紅葉もしないで落葉となりました。山道は落ち葉でいっぱいです。

一気に進んだ落葉 赤埴山

 麓の猪苗代も9月下旬までは最高気温が30℃になっていました。ところが、この1カ月で最低気温が0℃近くに急低下しています。異常です。秋が駆け足で通り過ぎました。こんな調子で、25~26年の冬も大雪になるのでしょうか。

2025年2月の豪雪


<プロフィール>
千葉茂樹
(ちば・しげき)
千葉茂樹氏(福島自然環境研究室)福島自然環境研究室代表。1958年生まれ、岩手県一関市出身、福島県猪苗代町在住。専門は火山地質学。2011年の福島原発事故発生により放射性物質汚染の調査を開始。11年、原子力災害現地対策本部アドバイザー。23年、環境放射能除染学会功労賞。論文などは、京都大学名誉教授吉田英生氏のHPに掲載されている。
原発事故関係の論⽂
磐梯⼭関係の論⽂
ほか、「富士山、可視北端の福島県からの姿」など論文多数。

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