国民民主党・衆議院福岡5区に川元氏を擁立~立憲との調整が課題

 国民民主党が次期衆議院福岡5区(太宰府市や朝倉市など)に、7月の参院選福岡選挙区(改選定数3人)に同党公認で立候補した川元健一氏を擁立する方針であることが分かった。

国民民主党・川元氏
国民民主党・川元氏

    川元氏は1979年9月生まれ、福岡市出身。一橋大学を卒業後、ソニー(株)販売戦略担当部長などを経て、宇宙開発事業を展開するSpace BD(株)の事業開発本部長や取締役などを務めた。参院選では、30万6,409票を獲得したものの、次点で落選。現在は国民民主党福岡県連副代表を務めている。

 福岡5区は、立憲民主党の堤かなめ氏が現職であったが、昨秋の衆院選で自民党の栗原渉氏に敗れ、比例で復活当選していた。その後、堤氏は大野城市長選(9月7日投開票)に立候補するため8月に議員辞職し、同党支部長は空席となっていた。堤氏の辞職については事前に県連への相談がなく、ある県連幹部は「(堤氏に対する)何らかの処分が必要」としたうえで、「新たに候補者を擁立することを考えている」と語っていた。

 参院選で国民民主党が躍進し、立憲民主党は獲得議席も伸び悩んだ。この勢いで党勢拡大をしたいとの考えがあるようだ。

 一方、国民の県連関係者からは「5区に擁立するのは、国民の地方議員がいないので厳しい」との声も聞かれる。立憲側には県議や市議など複数の地方議員がいる。

 参院選後、同党所属で、5区内の地方議員である松田美由紀・大野城市議が国民を離党するなど、選挙戦で実働を担う地方議員が立憲に比べて少ないことが不安材料とされる。

 福岡県においては、旧民主党に由来する国民民主党、立憲民主党、連合福岡による協議体があり、前回の衆院選でもすみわけが行われた。今回の国民側の擁立は、国民・立憲両党県連と連合福岡による選挙区調整に影響を及ぼす可能性がある。

【近藤将勝】

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