全管協本部は会員企業の切実な声を真摯に受けとめよ(2)

 不動産賃貸仲介管理業界を代表する団体として知られる全国賃貸管理ビジネス協会(全管協)が揺れている。これまで当社では、全管協名誉会長・高橋誠一氏が、自民党ちんたい支部連合会会長、全国賃貸住宅経営者政治連盟会長として、与党自民党と近い関係にあることや、全管協の会員企業やその代表者が、自民党の党員勧誘活動に際して本来党員となる個人が支払うべき党費を負担している実態について、政治資金規正法上の寄付行為にあたる可能性があること、そして、全管協名誉会長として政府与党幹部と面会した際、自身が経営する企業が販売権を有するごみ処理プラントの営業活動を行ったことなどを報じてきた。

 高橋氏が名誉会長を務める全管協と、会長を務める自民党ちんたい支部連合会は、医師会や特定郵便局長会など数ある自民党職域支部内でも最大規模の党員数(約4万人/2024年)を誇る。数の力を背景にしているからこそ、高橋氏は政権幹部や高級官僚と面談できるのであって、一般人が同様の機会を得ることは極めて困難であろう。

 全管協の会員は、自民党の党員獲得に並々ならぬ努力を払ってきた。その結果として得た全管協の影響力を、高橋氏だけが自身の経営する会社の利益となるごみ処理プラントの説明や営業の機会に利用していたとすれば、それは重大な問題と言わざるを得ない。

 『全管協九州支部で三好支部長の解任を求める声が上がる(3)』において、「高橋氏の後に会長に就いた三好氏は、本来であれば、ノルマに苦しむ会員企業の実情を理解して負担を軽減するように働きかけるべきであった。しかし、複数の全管協九州支部の会員によれば、『三好氏は高橋氏の意向に沿って、自民党員を増やすよう号令をかけていた』」との証言を紹介した。

全管協本部作成の内部資料を入手

 さらに取材を進めていくなかで、当社は具体的なノルマの存在を裏付ける資料を入手した。2024年1月に行われた全管協本部の理事会において示された、全管協全体と各都道府県ちんたい支部の23年の目標数と実績だ。

2024年1月18日全管協本部理事会資料(1)
2024年1月18日全管協本部理事会資料(1)
2024年1月18日全管協本部理事会資料(2)
2024年1月18日全管協本部理事会資料(2)

 起案者は全管協事務局とあり、自民党の職域支部であるちんたい支部は、全管協と表裏一体の関係にあることがわかる。

 23年の目標党員数は、4万2,000人、実際の党員数は3万7,683人。目標達成率は89.7%であった。22年の目標が同数の4万2,000人で実際は3万5,834人であったため、目標未達成で継続目標になっていたと思われる。

 注目したいのは各都道府県の党員数と目標である。47都道府県のうち、北海道・秋田・東京・神奈川・長野・富山・岡山・広島・福岡の9都道県のみが目標数を超えている。埼玉・群馬・静岡・島根は増減なしであったが、その他多くは目標未達成となっている。

 一方、22年との比較では、北海道や東京・愛知・大阪・広島・福岡・長崎・鹿児島など31の支部で党員を増加させている。

「あってはならないこと」と自民福岡県連幹部

 前年比の党員数や今年度の目標数が本部で示されることは、各都道府県の職域支部長にとって大きな心理的負担だったことは想像に難くない。加えて各種会合で高橋氏から直接、自民党員拡大の指示を受けたと証言した全管協加盟企業の代表者もいる。

 ちんたい支部に限らず、職域支部は自民党の都道府県連ともかかわりが深い。当社では、自民党の地方組織関係者への取材も進めている。

 ある福岡県連関係者は、個人的見解としたうえで「(党員獲得ノルマや企業による党費の立替など)あってはならないことである」「このような問題が出てくることは残念だ」と述べた。

 当社の2カ月以上におよぶ連載を知ったある大手メディアにより、近日、総裁選をめぐる全管協と現在、高市政権に近い立場にある自民党幹部の関係や組織的な自民党員獲得の裏側について報道がされる予定である。

 現在、週刊誌が報じた、高市事務所による総裁選や衆院選での対立陣営への中傷動画疑惑が大きな問題となっているが、全管協の自民党員問題も、我が国の総理大臣を間接的に決定する自民党総裁選に影響を与える点で、由々しき問題である。業界団体の内輪の話では済まされない。高橋氏や三好氏らは国民に対してどのように説明するのだろうか。

(つづく)

【近藤将勝】

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