不動産賃貸仲介管理業界を代表する団体として知られる全国賃貸管理ビジネス協会(全管協)が揺れている。これまで当社では、全管協名誉会長・高橋誠一氏が、自民党ちんたい支部連合会会長、全国賃貸住宅経営者政治連盟会長として、与党自民党と近い関係にあることや、全管協の会員企業やその代表者が、自民党の党員勧誘活動に際して本来党員となる個人が支払うべき党費を負担している実態について、政治資金規正法上の寄付行為にあたる可能性があること、そして、全管協名誉会長として政府与党幹部と面会した際、自身が経営する企業が販売権を有するごみ処理プラントの営業活動を行ったことなどを報じてきた。
本部に届いていない加盟企業の声
こうしたなか、全管協はパレスホテル東京で3日、「全管協シンポジウム2026」を開催した。同日開催された定期総会において、水野隆司氏((株)プランニングサプライ代表取締役)が会長に再任されたことは、『「全管協シンポジウム2026」後の交流会には自民党議員出席せず』で紹介した。
総会において水野氏は「団結力は我々の最大の財産であり、業界を動かす原動力。この武器をもって、会員の収益増大、そして賃貸管理業の将来を見据えた環境整備に全力で取り組んでいく」と挨拶したようだが、自民党員の獲得ノルマに対する会員企業からの強い反発の声はまるで届いていないかのようである。
一連の取材のなかで当社は、全管協に加盟する全国の企業代表者などから「もっと深掘りしてほしい」「自民党員の獲得はもう限界です」などの声を聞いた。当社が福岡市にあることから九州各県からの声が多いが、北海道や東京、関西などからも全管協本部に対する不満や批判の声が当社に寄せられている。
昨年11月、全管協加盟企業有志により「全管協をよくする会」が結成され、現在507社が加盟している。もちろん各企業の考え方に温度差はあるが、現在の全管協の在り方へ疑問をもつ企業の代表者の集まりである。
一連の記事では、匿名を条件に取材に応じてもらったが、取材対象者は異口同音に1999年から2023年まで24年間にわたって全管協の会長として君臨し、今は名誉会長として実権を握り続けている高橋氏を中心とした組織運営の在り方を批判する。だが、その一方で「不動産業界のなかで賃貸仲介に特化した全管協が2,000社近くまで増えたのは高橋氏の力が大きい」と一定の功績を認める声があることも事実だ。
高橋名誉会長に忠実な九州支部の役員
しかし政治と同じで長期政権は必ず腐敗する。全管協は北海道から沖縄まで13支部に分かれて活動している。九州支部は九州支部長を(株)三好不動産の代表取締役・三好修氏が務めている関係もあり、同社内に事務局が置かれている。
『全管協九州支部で三好支部長の解任を求める声が上がる(1)』では、三好氏に対する批判の声を受けて、全管協九州支部が4月27日付で、支部長である三好氏と5人の本部理事の連名で、「九州支部役員会の現状と、今後の対応方針について」という文書を出したことを報じた。要するに、三好氏も5人の本部理事も現行体制に忠実な姿勢であることに変わりはない。
九州支部に所属する全管協加盟企業の代表者Aは「すべて三好氏の優柔不断にある」と指摘したうえで「本部が出した文書を読んでいないとか普通の企業ならまずありえない」「本部理事も含めて自分の立場の保身です」と批判した。
当社は、全管協本部に対する批判の声ばかりでなく、本部側の言い分も聞くために、本部理事にも取材を申し入れた。しかし、取材を拒否された。当人は国の審議会委員のほか各種団体の役職なども務める方であり、それなりに責任ある役職を務めていることから、きっと取材に応じて、反論なり主張をうかがえるものと期待していたが、叶わなかった。取材に応じることに、不都合な理由でもあるのだろうか。
全管協の水野会長は先日3日の全管協2026年度総会にて、「団結力は我々の最大の財産」と豪語していたが、会員企業の声を大事にしないようでは、団結を誇る全管協も砂上の楼閣のように崩れかねない。
(つづく)
【近藤将勝】








