福岡県議会問題について吉松源昭県議にインタビュー(1)告発に踏み切った2つの理由

 いまや全国ニュースとして連日報道される福岡県議会問題の発端となったのは、「2,000万円カツアゲされた」などと暴露した吉松源昭・福岡県議だ。7月7日の会見では、料亭からの請求書のコピーを示し、「大金」授受に関する音声データ提供もするなど県議会の実態を暴露したのだ。

請求書    その3日後の7月10日、時の人となった吉松県議に福岡市内のデータ・マックス本社でインタビューをすることができた。冒頭でうかがったのは、暴露に至った経緯だった。

 吉松県議 昨年12月に西日本新聞が2回にわたって福岡県議会の異常に高額な海外視察問題を取り上げました。それを受けて私は3月議会で「高すぎるのではないか」と。具体的にいうと、たとえば、ハワイで3泊の視察が1人あたり300万円、400万円かかっているが、これは常識では考えられない金額です。こういったことが散見されて年間約1億円、海外視察費がかかっていて、日本のなかで圧倒的な1位で問題視されました。

 そこにもう1つ、議長就任祝賀会のパーティー券問題が起きました。福岡県議会では、必ず自民党(県議)が議長になるのですが、この議長就任祝賀会のパーティー券を半ば強制的に県職員に購入させていた問題が明らかになりました。

 この2つの問題が明らかになったときに私が感じたのは、我々が(県議会)議員をやっているなかでさまざまなカツアゲ、みかじめ料的なお金を取られてきたという構図が、県の職員からもカツアゲ的に取られ、とうとう県民の税金からもカツアゲされるようになってきた。これは、私たちが黙ってカツアゲされてきたことが黙認されてきたことがエスカレートしてきたと感じたので、これを質さないといけないという思いに至りました。これが1つです。

解説:福岡県議会では「議長になるのに1,000万円、副議長だと500万円」といわれるなど、ポストと引き換えに自民党県議団重鎮への裏金が横行しており、それを議長経験がある吉松県議が暴露したのだ。その当時に吉松県議が言われた“殺し文句”が「議長就任祝賀会で戻って来る」だった。半強制的な県職員の祝賀会パーティー券購入で、議長就任前に支払った裏金分は補てんされるという仕組みになっていた。自民党県議団内の“カツアゲ文化”が県職員にも広がっていたことへの危機感が、高額の海外視察と相まって吉松県議の告発につながったというが、もう1つの要因もあった。福岡県警が本気度を示していたのだ。

吉松県議    吉松県議 ちょうど、そう考えていたときに、6月25日で6月議会が終わり、その翌日だったと記憶をしていますが、警察の方から「海外視察の件について吉松議員の意見を聞きたい」と言われました。この海外視察問題については県民から背任罪で告発が県警の方に出ていて、それが受理されています。この問題を唯一、3月議会と6月議会で私が「どうなっているのか」と追及していたなか、警察の方も「吉松議員はいろいろ事情を知っているみたいだから話を聞きたい」ということで、7月2日に1時間くらい、事情聴取を受けました。その後半に警察官の方が言われたのは、「私どもはこの捜査を通り一遍で終わらせる気はない。あらゆる犯罪の端緒と考えている」という話をされた。(県民が)告発している海外視察問題以外にも、「何かあったらいろいろ教えてほしいし、知っている人を紹介してほしい」という話があったのです。

 そのとき、先ほど言いました思いが募っていた時だったので、「それでは私が知っていることをすべてお話します」と警察官の方に話をしたのです。それがきっかけです。

 ──吉松県議の思いと警察の意気込みの2つが重なって今回の会見での告発につながったと。

 吉松県議 警察に話をしたらマスコミの方がかぎつけてきて、「(警察に)話されたのでしょう」と聞いてきたので、「それでは会見をします」と言って(7月7日の)会見につながったわけです。

 ──海外視察の件で告発された県議の1人が蔵内勇夫議長だったと。

 吉松県議 県民の方が告発している相手が蔵内議長であり、自民党県議団会長の2人ですね。

 ──蔵内議長は「蔵内会」というゴルフの会があったりして、県議会、自民党県議団のなかで非常に力をもっているドンみたいな存在だと。

 吉松県議 そうです。福岡県議団だけでなく、福岡県政界のドンと言っていいと思います。

 こう言い切った吉松県議はこの後、「蔵内議長支配」と言っても過言ではない福岡県議会や福岡県政界の実態について具体的に語っていった。

(つづく)

【ジャーナリスト/横田一】

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