福岡県議会問題で揺れる自民党本部と福岡県連~片山さつき財務大臣もワンヘルス事業や蔵内前議長を応援

自民党本部が福岡県連幹部から聴取へ

 福岡県議会の高額な海外視察や正副議長就任時に自民党県議団幹部に金銭授受が行われた疑惑などが大きな問題となっているが、自民党の鈴木俊一幹事長は25日の記者会見で、福岡県議会の金銭授受疑惑を巡り自民党福岡県連幹部を週内に聴取することを明らかにした。

 鈴木氏は、「県連というのは極めて独立した、自治の世界の組織。ですから、県連会長とか県連幹事長とか、そういうポストは党本部は関与しない」と地方組織の独立性が原則であるとしつつ、「福岡県連としての自浄作用、自らそうしたことに対して答えていって、県民の皆さんの不信を払拭するような、そういうことをするにはどういう段取りを考えているのか、そういうことを聞いてまいりたい」と述べた。

 自民党本部は、鈴木氏がいう地方組織の独立性を理由に、福岡県で起きている一連の問題に対して調査や指導を行うことを避けてきた。来年の統一地方選などへの少なくない影響を懸念しており、問題が中央や他の都道府県に波及することを警戒しているからだ。

 自民党福岡県連は、県連会長以下、ほとんどの役員は県議が占めている。このことに自民党の福岡市議は不満を持っており、一部に県連から独立した市連結成を主張する声もあり、9月定例会において県政の信頼回復を求める決議案を議会に提出する。また27日午前中、福岡市議が支部長を務める7つの自民党支部は、自民党福岡市議団執行部を先頭に県庁近くの自民党県連事務所に体制刷新や県議団への指導を求める要望書を提出する。

 ある自民党所属の福岡市議は「県議団の話に我々は大変迷惑している。福岡市議会はパーティーも開催しない。しかし同じように見られており、国民・市民に説明ができない」と語った。

蔵内氏と片山大臣の蜜月関係

 取材を進めるなかで、高市政権の重要閣僚である片山さつき財務大臣もワンヘルス関連のイベントや蔵内氏の地元集会に参加するなどして応援してきたことがわかった。

 片山氏や、現在副議長を務める板橋聡県議のフェイスブックの投稿を確認したところ、4月21日から24日まで東京国際フォーラムで開催された第41回世界獣医師会大会のオフィシャルディナーに出席し祝辞を述べたことや、その際に蔵内勇夫世界獣医師会会長(福岡県議会議長・当時)や服部誠太郎福岡県知事と記念撮影をした写真などが投稿されていた。

※片山さつき氏フェイスブック
片山さつき氏のフェイスブック(2026年4月23日)
世界獣医師会世界大会にて(左から蔵内氏・片山氏・横倉義武元日本医師会会長・服部知事)
世界獣医師会世界大会にて
(左から蔵内氏・片山氏・横倉義武元日本医師会会長・服部知事)

 福岡県には、片山さつき氏の福岡後援会があり、政財界を挙げて応援してきた経緯がある。昨年8月、福岡市内のホテルで政経セミナーも開催され、知事をはじめ多くの政財界関係者が出席していた。自民党関係者などの話を聞いても、片山氏と福岡政界の重鎮である蔵内氏との接点は浅からぬものがあったとみられる。

 25日の財務省での大臣会見後に、ジャーナリストの横田一氏が片山大臣を直撃したところ、片山氏は終始無言であった。

 改めて当社は、片山氏の国会事務所にワンヘルス事業や蔵内氏との関係についてコメントを求めたが、「自民党だから応援した」のみの回答であった。

 「国策」(蔵内氏)となったワンヘルス事業が掲げる環境保護などの理念は重要なものであるが、福岡県における事業内容の妥当性などについて25日に開かれた行政改革審議会でも検証が始まった。

 世界大会開催時点では、現在ほどの大きな問題になっていなかったとはいえ、現職大臣が来賓として祝辞を述べることは、ある面で政府がお墨付きを与えたと見なされることは否定できない。

 政府・自民党としては、中央政界への影響を回避したいところだが、多くの国民は政治とカネの問題の再浮上に強い不信感を抱いている。自民党県連や福岡県議会任せではなく、自らの関わりも含めて真摯に検証すべきではないだろうか。

【近藤将勝】

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