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2016年02月09日 11:26

マルイとはこんな店だ!~その全貌と戦略を探る(4)

博多マルイ オープン直前企画

 4月21日に開業する「博多マルイ」のテナント概要が発表された。商業施設は進出の度にテナントの顔ぶれで「九州初上陸」「福岡初進出」という冠に注目が集まる。しかし、企業そのものが新参のマルイは戦略、戦術ともこれまでの施設とはだいぶ異なる。その全貌とポイントを見ながら、福岡への影響度を探る。

地域密着路線を継承。政令指定都市展開の一貫で福岡にも

地域客と一体で方向性を考える「店づくり企画会議」<

地域客と一体で方向性を考える「店づくり企画会議」

 2016年4月21日、「博多マルイ」がJR博多駅前に開業する日本郵便の商業ビル、KITTE博多の核テナントとして開業する。
 マルイの小売事業を担う(株)丸井では、政令指定都市には出店する戦略を掲げており、人口152万人を擁する福岡市は、当初からその候補地となっていた。
 ただ、都市型の商業ビルは、JR博多シティやパルコに見られるようにテナントの顔ぶれが違うだけで、ターゲットやテイストの同質化は否めない。若者を中心にしたファッション離れは九州でも例外ではなく、ECという目に見えない競争相手も出現している。
 そこで、マルイは進出に際し、グループの総力を結集させて入念な開業計画を策定。博多マルイをSC型マルイのモデル店と位置づけ、幅広い年代をターゲットに想定し、客と一体になって店づくりを進めながら開業準備に臨んだ。

 2013年の福岡進出を決定すると、14年5月には博多区の奈良屋町に開業準備室を構え、地元住民から意見や要望を聞き入れるためにオピニオンリーダーを募集。8月からは「店づくり企画会議」をスタートさせた。「ハードをつくり、テナントを集め、ハイ、オープン」では決してないということだ。
 並行してインターネット上には「コミュニティサイト」を開設し、地域との情報共有を図るなど、地元密着にも余念がない。

 もっとも、企画会議を通じた店づくりは、2007年開店の有楽町マルイで実証済みだ。有楽町は同じ東京都内でも渋谷や新宿とは客層が違うため、客は商業施設に対して何を期待しているのかを見極める必要があったからだ。
 すると、商品面からハードまでのすべてで、マルイ自身が気づいていなかったことが判明。MDの幅を広げアパレル以外も扱うライフスタイル型ストアにシフトするきっかけになった。こうした成功体験が博多マルイでも踏襲された形である。

1年半以上前から地域住民とミーティング

 店づくり企画会議は、14年8月から月1~2回のペースで、週末の金・土に開催。店舗のコンセプトから始まり、各フロアのゾーニング、イベント企画や商品面の最終詰めなどまで、段階的なステップを踏んでいる。
 参加人数も回を重ねる毎に増えており、すでに延べ数千名に及ぶと思われる。しかも、参加者には1回あたり必ず謝礼や交通費が支払われているので、そのコストだけでも相当な額になるはずだ。

 会議は4月の開業を前にいよいよ佳境を迎えており、客からはかなり突っ込んだ内容の意見や要望も出始めているとか。中には、いろんな商業施設を事前に下調べし、消費者なりの改善点を述べるケースまで見られるという。
 一方、客の側もアパレルを中心としたブランド誘致には強い関心は示してないようで、それよりイベント開催への要望や意見の方が多数を占めているそうだ。
 マルイとしてもイベントは集客の目玉でもあるためスペースを割き、賑わいを創出する上でも積極的に企画していく考えを持っているようである。

 1月18日には、博多マルイの店舗、テナントの概要がリリースされた。それによると、飲食・食物販の充実が目立つ一方、アパレルは3割にとどまる。これまで通り、店づくり企画会議での客の要望が随所に生かされたかたちだ。
 ただ、マルイには完成した店舗がゴールとの認識はない。最初から100%応えられるということは考えておらず、開業後も企画会議は継続して開催していくようである。

 テナントとの定期借家契約の期間は、おそらくケースバイケース。これをベースに時流やマーケットの変化に応じて、単期にテナントを入れ替えながらSCとしての最適化を目指していく戦略だと思われる。

(つづく)
【釼 英雄】

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