2022年05月26日( 木 )
by データ・マックス

アビスパ、惜しくもサガン鳥栖に逆転負け

ゲーム前のアビスパイレブン<

ゲーム前のアビスパイレブン

 J1のアビスパ福岡は7月23日、リーグ戦2ndステージ第5節をサガン鳥栖とホームのレベルファイブスタジアムで対戦。だが結果は、3-2で敗れた。
 直近2戦のアビスパは上昇気流であり、さらにサガン鳥栖との“バトル オブ 九州”とあって1万9,370人の観客が来場した。そのうち、サガンのサポーターが約3分の1を占めていたことが印象的であった。

 前半は、ややサガンのボールの支配が優勢であったものの、お互いに牽制し合いながら決定的な得点機会を得ることなく、終了。緩やかなゲームのテンポのなかで、両クラブの選手とも、ボール奪取に対して激しく身体を当てて競い合うなど、“バトル オブ 九州”さながらお互い勝利へ全身全霊で戦う姿勢が鮮明であった。

 後半は、アビスパが一気にスピードとテンポのギアを上げてボールを支配し、サガンのゴール前に迫り出した。そして、50分、FW金森健志選手が左サイドをドリブルで突破し、クロスを送った際に、サガンMF福田晃斗選手のクリアボールが、そのままサガンゴールに。オウンゴールでアビスパが先制点を挙げた。

ボールにアプローチする城後寿選手<

ボールにアプローチする城後寿選手

 だが、その後は、サガンが再びボールを支配し、アビスパゴール付近でのゲームが増え始めた。59分にサガンMF鎌田大地選手が左サイドにDF吉田豊選手へボールを供給。そのボールを吉田選手が中央にクロスを入れ、走り込んだ鎌田選手のヘディングがアビスパゴールを割り、1-1の同点。76分、サガンDF藤田優人選手からMF金民友選手にボールが渡り、アビスパのペナルティエリア内でリターンパスを受けた藤田選手が自らゴールを放ち得点し、2-1に。そして87分、サガンは金選手のクロスをFW富山貴光選手が右足で合わせてゴール。3-1と引き離された。その後、アビスパもアディショナルタイムの94分にDF實藤友紀選手がゴールを決めるも、時すでに遅し─―3-2でサガンの勝利となった。

 前半は、意図的にサガンへボールを持たせたうえで、堅い守備を実践する戦法をとったアビスパ。GKの神山竜一選手を中心とした組織的な守備で、サガンに決定機をつくらせなかった。ボール支配はサガンが上回っていたが、アビスパのゲームコントロールが際立っていた。
 後半は、攻撃態勢に転じて果敢に攻めるという作戦を、堅実に遂行するアビスパの姿勢が明確であった。上下のどちらのボールへの争奪も、ひるむことなくサガンの選手と競った。持ち味のハードワークによる全員守備から、素早く得点機をつくる攻撃を行っていた。だが、アビスパは敗れた。なぜか――。
 その要因は3つあると分析した。1つ目は、明らかに選手個々人の“ガス欠”だ。アビスパが追いつかれた後の60分あたりから、各選手の足が止まっていた。スピード、走る距離とも、サガンが明らかに上回っていた。2つ目は、セカンドボールをほとんどとれなかったことと、パスミスが目立っていた。3つ目は、同点に追いつかれた時点から、ディシプリン(=規律)が乱れていたことが挙げられる。

突破する邦本宜裕選手<

突破する邦本宜裕選手

サガンゴール前にボールを供給する駒野友一選手<

サガンゴール前にボールを供給する駒野友一選手

 サガンのマッシモ・フィッカデンティ監督は、シーズン中もコンディションを確認しながら走るトレーニングを行っている旨のコメントをしていた。シーズン前より徹底した走り込みのトレーニングを実践してきているという。サッカーの原点は、やはり相手より走り勝つことが肝要である。セカンドボールのキープとパスミスを減らすためには、トレーニングを重ねるしかない。そしてディシプリン(=規律)は、アビスパのフィールドプレイヤー1人ひとりの気迫が空回りして、「自分で何とかしよう」とするプレイが散見された。もちろん個人のスキル・テクニックを駆使して相手を凌駕することは大切である。だが、サッカーは組織のスポーツである。フィールドプレイヤー全員で、チームの強みを活かした戦い方を徹底し、そのベクトルに向けて個々の能力を活かすことである。以上、挙げたことは、日々のトレーニングで強化し改善することができる。

實藤友紀選手<

實藤友紀選手

 一部「サガン鳥栖の力が上であった」と批評している報道もある。それについては否定も肯定もしないが、アビスパの選手はプロフェッショナルである。力が上であろうがなかろうが、90分間のなかで対応しなければならない。さらに「相手の力が上」とチームの1人でもそのような思考に陥れば、勝つことは極めて困難になる。何よりも「相手が上であった」というような報道をされないような、パフォーマンスの復権がアビスパには急務である。

 年間総合順位は依然最下位と厳しい状況になってきているが、“ピンチはチャンス”──アビスパの選手・スタッフは前を見て、お互い意志統一を確認して信じることである。外野の評論など封じこめるような戦いぶりを、次節以降披露してもらいたい。

【河原 清明】

 

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