2024年10月10日( 木 )

目指せ創業100周年!武野会長に訊く、アダルブランドの強さ(後)

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(株)アダル

世界を舞台に活躍するアダル

 現在、国内では本社福岡を中心に、東京・大阪・名古屋などの大都市圏にも拠点を持つ。加えて、グローバル市場を見据えた海外戦略として、上海にも関連会社の拠点を置いている。こうした自社製品の広範囲におよぶ展開を支えているのは、同社社員たちだ。「大変ありがたいことに、中堅・若手ともにしっかり育ってくれています。これからのアダルを支える次世代が頼もしい存在であるというのは、心強いですね」(武野会長)。

(株)アダル 武野 重美 代表取締役会長<

(株)アダル 武野 重美 代表取締役会長

 武野会長は、日本国内はもちろん、上海にも自ら足を運び、社員たちと同じ目線に立ち、交流する場を設けるようにしている。経営トップ陣と社員1人ひとりが話し合える場の提供は、普段はなかなか話せないことなど、情報共有の面からいっても大変有意義なことだが、実行できている企業は少ないのではないだろうか。また、社員が人財として育っているのには、『自信』の醸成も関係しているようだ。

 「上海に拠点を置いてからは、研修として社員を中国へ行かせています。現地で工場や商品が展示されている街の様子を見ると、『自分たちが携わっている仕事はこんなところまで影響を与えているのだ』と、仕事に対して自信を持ってくれます。これだけでも、思い切って海外に拠点を出して良かったと思えます」(武野会長)。ホテル・旅館はもちろん、ソラリアプラザなどの商業施設、学校などの教育施設、そして、老健施設など、医療・福祉の現場でも、同社のモダンで機能性を兼ね備えた家具は求められている。海外でもその需要は高まり続けている。「ADAL」はすでに、メイド・イン・ジャパンを代表するメーカーと言っても過言ではない。

未来を築き上げる空間演出のプロ

 「私がいつも言っていることがあります。それは、『ただ仕事をしていればいいわけではない。常に前の目標を上回っていかなければならない』ということです。そのためには、やはりどこにもない仕組みを形成しなければなりませんし、頭も体もフルに活用しなければなりません。容易なことではありませんが、結果として、個々のスキルアップに必ずつながっていきます」(武野会長)。

 この武野会長の想いが、社員たちと共有できているからこそ、同社は成長し続けていると言える。さらに、こうした体制強化が、これまでになかった分野への進出も後押ししている。「博多駅周辺の再開発も含め、ホテルなどの宿泊施設向けに今後も需要は期待できると思います。あと、現在、喫茶店向けも好調です。4シーズンに合わせて上質な空間を演出される店舗も多いですので、そうしたお店のオーナーさまたちに、弊社のデザインを気に入ってもらえているようで、大変嬉しいですね」(武野会長)。

 新たな基盤をつくり上げることに成功している同社。技術、営業活動における新規開拓―いずれの面においても、求められるのは商品力と、自ら能動的に動くことができる社員たちの存在である。同社は、その2つを兼ね備えている。冒頭、「創業100周年の時まで現役でいたい」と決意を語ってくれた武野会長の目標は、必ずや達成されるに違いない。家具を通じて世界中の空間を演出し続ける同社から、今後も目が離せない。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:武野 龍
所在地:福岡市博多区金の隈3-13-2
設 立:1968年4月
資本金:1億8,225万円
TEL:092-504-3932
URL:http://www.adal.co.jp

<プロフィール>
takeno_pr武野 重美
1939年、宮崎県生まれ。59年、福岡のイスヤ商会に就職後、先代の逝去によって代表取締役に就任。91年に(株)アダルへ社名変更し、業務用家具業界で知られるようになる。95年、中国に合弁会社を設立。世界を舞台にアダルブランドの発展に努めている。代表取締役会長を現任。

 
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