北九州空港を東南アジアの玄関口に(前)
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北九州エアターミナル(株) 代表取締役社長 片山 憲一 氏
北九州市の東側に広がる周防灘に巨大な人工島がある。北九州空港だ。九州で唯一、24時間離発着が可能な同空港には、2016年に韓国、中国との定期便が就航。利用者の増加が続いており、17年度の利用者は150万人に達することが見込まれている。北九州空港を運営する北九州エアターミナル(株)片山憲一代表取締役社長に北九州、福岡、そして九州の展望を聞いた。
(聞き手:弊社代表・児玉 直)
利用者数150万人に
――北九州空港の利用者は年間135万人を超えるまで伸びてきていますね。
片山社長(以下、片山) 国際定期便が就航したため、このままのペースで推移すれば、2017年に利用者数が150万人に達するのではと考えています。15年度の国際線はチャーター便のみで約2.2万人でしたが、昨年末に国際定期便が就航しましたので16年度は6万人増、17年度は20万を超えると見通しています。国内線が130万人ですから、合わせて150万人になる、という計算です。
――これからまだまだ増加していく、ということですね。
片山 ところが、北九州空港は建物が150万人規模で設計されています。待合室を見ていただければわかりますが、現状では待合室の容量が足りていないため、新しい便が発着する際には、既存の便と競合しないことが条件になります。従って、インバウンド客を受け入れるために設備投資をするかしないかという判断をする時期にきています。ところが国際的に韓国や中国との間で、さまざまな問題が発生していて、利用者の伸びが読みにくい状況になっています。お客さまが来なくなったら、エアラインは撤退してしまいますから、設備投資をしても意味がなくなってしまいます。投資の時期ではあるけれども、国際情勢を見ながら設備投資の時期を考えていく、というのが現状ですね。この点をきちんと見極めておかないと設備投資はできません。しかしながら、慎重になりすぎるとチャンスを逃してしまう可能性もあります。福岡空港への便数がこれ以上増やせない状態で、北九州も設備的に受け入れができないとなると、エアラインは九州以外に逃げてしまいます。それは九州全体の経済的な価値が落ちてしまうことにつながりますから、九州の玄関口として旅客を福岡と北九州で受け止めていく、という発想をしていかなくてはならないですね。
――国内線に関する考えをお聞かせください。
片山 「国内線を充実させる」にしても、福岡に就航している航路と同じ路線を引いても効率が悪いですから、福岡空港と結ばれていない空港にエアラインを引くというのは1つのアイデアとしてあります。たとえば福岡から飛んでいない富山空港へ飛ばすということはあり得ると思います。また、下関と北九州エリアには150万人規模の人口があります。地域の人たちが希望するところに路線を引く可能性はありますね。しかし、それらは全体の利用者数の数字として大きくはならないでしょう。未来を考えると、アジアからのお客さまの九州への需要を受け止めるというのが一番わかりやすい北九州空港の将来像になると思います。
(つづく)
【文・構成:柳 茂嘉】<COMPANY INFORMATION>
代 表:片山 憲一
所在地:北九州市小倉南区空港北町6
設 立:1989年5月
資本金:35億2,400万円
売上高:(15/3)6億8,610万円
URL:http://www.kitakyu-air.jp関連キーワード
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