2024年05月05日( 日 )

多店舗展開が強み 飛躍を続ける地場電材卸業の雄

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(株)カンサイ

 (株)カンサイは、電材卸業としては九州で最大の規模を誇る独立系老舗企業である。創業は1948年と古く、54年に関西電業(株)として法人化を果たし、95年には現在の忍田勉氏が2代目社長の座に就いた。2002年に現商号へ変更している。これは、旧社名だと「電材専門」のカラーがついてしまい、多角的な事業展開を目指す同社の現状には合わないからだとのこと。設備の総合商社を標榜する同社ならではのことだ。

 14年3月には持株会社制に移行。(株)カンサイホールディングスを設立し、九州全域にカンサイグループの営業ネットワークを拡大している。現在、福岡県18カ所、佐賀県3カ所、熊本県3カ所、長崎県4カ所、大分県1カ所、宮崎県2カ所の営業拠点を展開。また、(株)ロッコウアトム、三葉電機工業(株)、(株)日進商会、九州昭和(株)、(株)カンサイしんこう、(株)カンサイ南九州社、エコプラス(株)、(株)昭和電光、(株)サワヤマ機材の9つのグループ企業があり、幅広いニーズに応えている。幅広い商品を取り扱うことで、マンションから大型商業施設までさまざまな建物に快適な環境を提供している。

 同社の強みは、なんといってもきめ細かい営業ネットワークによる即応性の高さ。九州内なら「どこに行ってもカンサイの営業所がある」といわれるほど。たとえば福岡の電気工事業者が県外で工事を行う場合などは、やはりなじみがあるカンサイの営業所がすぐ近くにある、ということはいざという時の資材確保を考える際に非常に心強いのは間違いない。「地域密着をモットーでやってきた、多店舗が弊社の強みです。うちのお客さんであれば、九州中どこの現場でもサイン1つでうちの資材をとってもらうことができますからね」と忍田社長は語る。特に最近、福岡の電気工事業者だからといって毎回福岡県内だけの仕事しかとらない、ということはほとんどない。電気工事業者としても県外にも積極的に打って出る必要があるからこそ、なじみのカンサイでスピーディに電材を購入できるというアドバンテージは非常に大きい。

(株)カンサイ 忍田 勉 社長

 また、電材だけにとどまらず、弱電工事や空調工事、住宅設備やリフォーム、ユニットバスやキッチンなど、グループ会社を含めて幅広い業種に対応できるのもポイントである。「電材に限らず、住居や建物内装にかかわる設備ならひととおり弊社グループで対応できるのも強み。たとえばマンションを建てるとなったら必ずオートロックやインターホンはついてくる。これはカンサイにお声がけいただければ、材料から弱電工事まですべて含めて受けることができるわけです」(忍田社長)。

 今後は、受注販売だけにとどまらず自ら提案できる組織作りに取り組みたいという。「エネルギーマネージメント事業部という新部署を立ち上げました。弊社は電気を中心とした設備を扱っていますから、エンドユーザーさんのエネルギー使用環境全体を診断して、より電気代、ガス代や設備代を軽減できるような提案をしていく。それを新しい事業として取り組んでいきたい」(忍田社長)。

 すでに地場の電材卸業としてはトップクラスの業容を実現しながら、今後の業務展開にも目配りを怠らない。17年もカンサイグループの飛躍から目が離せない。

【深水 央】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:忍田 勉
所在地:福岡市博多区東比恵3-32-15
設 立:2013年10月
資本金:9,600万円
売上高:(16/3)354億円(グループ合計)

 

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