2024年05月09日( 木 )

国「不当なランク付け」を撤廃~福岡県議会議員 田辺一城 県政報告

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

保育所整備など議会提案が実る

 国から都道府県に対する国庫補助負担金のうち保育所等整備交付金など8件で、合理的な理由がないまま47都道府県への交付基準を4段階の地域区分に分ける「不当なランク付け」が行われ、福岡県が最低ランクに位置付けられていることが分かりました。私が所属する民進党・県政クラブの調査で判明し、福岡県議会で問題提起をしたことをきっかけに、国はこの不当なランク付けを廃止する方針を決めました。2017年度からはすべての都道府県に対して「平等」に現行の「最も高い区分」を適用します。私たちの提案が国の制度変更につながりました。

 小川洋知事は3月の県議会本会議で、私たちの問題提起が制度改正につながったことを念頭に、「議会からの問題提起を受け、議会と一体となって、国に働きかけた成果。地域区分の撤廃により、本件の補助基準額が引きあげられることによって、保育事業者の施設整備意欲を高める契機となる。今後、市町村と連携し、改正内容を周知し、保育所等施設の整備・充実を促進することによって、待機児童の解消につなげていく」と述べ、今回の成果とその意義を強調しました。

 この問題は、私たちの政務調査で2016年6月に発覚。保育所等整備交付金に加え、認定こども園、へき地診療所、救命救急センター、食肉衛生検査所、隣保館、救護施設など――の施設整備に関わる計8件の交付基準で、厚生労働省や文部科学省が「A・B・C・D」の4段階の地域区分を設け、福岡県と徳島県、愛媛県、大分県がいずれももっとも低い「Dランク」に位置付けられていました。

 私たちは6月と9月の県議会本会議で、小川知事に対し「不当と言わざるを得ず、県内の事業者が多大な不利益を受けてきている」と指摘。知事も「Dランクは納得しがたい。関係省庁への提言・要望などの機会を通じ、交付基準が見直されるよう要請していく」と応じ、厚生労働省と文部科学省に見直しを強く求めていました。

 両省はこのほど、私たちと知事の動きに加え、古賀ゆきひと参議院議員(民進党)からの是正要請などを受け、17年度からは8件の国庫補助負担金の交付基準で地域区分を撤廃し、補助基準額はすべての都道府県で現行の「Aランク(最も高い区分)」を適用することを決定しました。

<プロフィール>
田辺一城(たなべ・かずき)
1980年5月16日生まれ。福岡県立福岡高校、慶應義塾大学法学部卒業。毎日新聞社入社。2011年に福岡県議会議員に初当選し、現在は2期目。民進党・県政クラブ県議団に所属。

 

関連記事