2024年05月08日( 水 )

『全国一斉!国民討議会 福岡大会』開催 国民一人ひとりの意識改革

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 公益社団法人日本青年会議所九州地区福岡ブロック協議会(以下、JC)が、4月16日、天神ビルで「全国一斉!国民討議会福岡大会」を開催した。同大会は福岡県だけではなく、4月中に47すべての都道府県で随時開催される。主催者のJCは政治的に中立な立場で会を進行し、国民の憲法への意識を喚起することを目的に実施している。

 今回の討議テーマは【1.緊急事態条項について】と【2.憲法第9条について】。討議参加者は50名で、ディスカッションしやすいよう5名の少グループを10組作り、それぞれ討議を行った。参加者は18歳から40歳までの一般市民から募っており、テーマに関する予備知識も人それぞれだ。討議の前に、テーマについて意見が偏らないよう多角的な視点と情報を盛り込んだ動画が情報として提供され、参加者はそれをもとに討議し合い、グループで出た意見をまとめ、発表する。
 発表でつかう模造紙には意見を書く欄の横に投票袋が設置されており、参加者は発表を聞き終わった後、賛同する意見に投票。のちに、集計が発表される。一人に与えられる票は1テーマにつき5票。票数に縛りはなく、一度に5票使っても、5つの意見に1票ずつ投じてもよい。

 テーマ【1.緊急事態条項について】では、日本で将来起こり得る危機や有事への備えを、憲法でも定めておく必要があるという結論がでた。「憲法で何が出来て何が出来ないか定める事によって、権力の濫用防止にもつながる」と「憲法の第一優先は生命を守ること。生命なくして人権なし」という意見が支持を集めた。
 テーマ【2.憲法第9条について】では、現行憲法9条に自衛隊を明記すべきかどうか、という問いに対して、「明記すべき」という結論が出た。そのほか、「明記に関して一項を変えずに、二項を変える。あくまで自衛軍として明記すべき」という意見が多くの賛同を得ていた。自衛隊に関しては戦力なのか、自衛なのか、という点でも意見が分かれ、議論されていた。

 両テーマとも非常に活発な意見交換が行われていた印象だった。友人の勧めで参加したという30代男性は「普段はまったく政治に関心がなく、今回のテーマについても詳しい内容は何も分からなかった。ただ、皆で同じ動画を見て、同じスタートラインで議論できたのでよかった。勉強になることも多かった」とコメント。そのほか、「賛成・反対だけではなく素朴な疑問など、自由に意見を言うことが出来て良かった」や「休憩時間に改めて議論したテーマに関するネットニュースなどを検索したりと、憲法に関心を持つきっかけとなった」などの声も聞かれた。

 現在、国際情勢の変化、また国内におけるさまざまな事象により、国民を取り巻く環境は日々変化している。しかし、国民としての「当事者意識」を持ち、国の抱える問題と向き合う国民が少ないのは事実だ。私たち日本国民の生活の基盤にあるのは「日本国憲法」である。国民各人が、憲法改正論議に対する考えを持ち、己の意見を表明できるようになることが望まれる。そんななか、国民に憲法を考えるきっかけを与える『全国一斉!国民討議会』の役割は非常に大きい。

 福岡大会の第2回討議会は、4月23日に久留米で行われる予定だ。

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