福岡上陸したヒアリ、全国的な蔓延は不可避か
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福岡市は21日、博多港で特定外来生物であるヒアリ数十匹を確認したと発表した。中国・南沙港から運び込まれたコンテナから現れたと思われる。現在のところ、ヒアリに刺されるなどの健康被害を訴えた人はいないとのこと。
今回博多港では、他の港でヒアリを確認した南沙港から到着したコンテナの周囲に餌をまいて確認にいたった。いわば狙い撃ちで確認したわけだ。現在、日本の主な貿易相手国であるアメリカと中国には、それぞれヒアリが定着して数を増やしている。今年6月に東京港で初めて確認されて大きな話題になったが、それ以前から程度の差はあれ国内に持ち込まれていたと可能性もある。
数ある侵略的外来種のなかでも、アリの侵入を防ぐのは難しい。1990年代初頭に侵入が判明したアルゼンチンアリは、農業害虫を保護する習性を持ち、在来種のアリを駆逐してしまう。現に、アルゼンチンアリが最初に発見された広島県廿日市市近辺では、すでにアルゼンチンアリ以外のアリを見かけることはほとんどないという。現在アルゼンチンアリ専用の殺虫剤が販売されているが、撲滅には至っていない。
今後、各自治体や環境省など関係官庁はヒアリ対策に追われる日々が続くが、アメリカ・中国との貿易を中止するわけにもいかない。いたちごっこの水際作戦が続く。
【深水 央】
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