2024年04月16日( 火 )

トランプ大統領のアジア歴訪に合わせて実施された北朝鮮の避難訓練

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、11月10日付の記事を紹介する。


 鳴り物入りのトランプ大統領のアジア歴訪。前代未聞の12日間に及ぶ外遊の最大の狙いは北朝鮮の核の脅威をいかに封じ込めるか、その方法をアジア諸国の首脳と協議することであった。最初の訪問地の日本では安倍首相との間で強力な連携プレーが約束された。とはいえ、それで北朝鮮の脅威がなくなったわけではない。

 北朝鮮の核やミサイルに対抗するため、日本政府は大量かつ高額なアメリカ製のミサイル防衛システムの追加導入を決めた。アメリカの軍需産業にとって、トランプ大統領ほど頼りがいのある存在はこれまでなかった。韓国でも中国でもトランプ大統領は同行した産業界のリーダーのためにアメリカ製の武器や兵器の売り込みに汗をかいているのである。

 行く先々でトランプ大統領は北朝鮮の脅威に言及した。韓国の国会では「カルトに支配された国。危険極まりない」と北朝鮮を牽制。しかし、肝心の北朝鮮はそうしたトランプ大統領の言動をあざ笑うように「声だけ大きな犬が叫んでいるようなもの」と、一向に動じる様子がない。それどころか、アメリカの軍事行動を想定し、過去に前例のない規模での避難訓練を実施。あくまでアメリカと戦う姿勢を崩そうとしていない。

 外国の外交使節やメディアが駐在するピョンヤンでは表立った動きはないようだが、朝鮮半島東部の地方都市を中心に繰り返し住民の避難訓練が行われているという。こうした地方都市での停電など異常事態を想定した退避訓練はこれまでになかったことである。韓国の軍関係者によれば、「確かに前代未聞の動きだが、驚くに値しない。彼らはアメリカの攻撃が間近に迫っていると危機感を募らせているのだから。事態は深刻化している」。

 確かに2003年には空襲警報の下、ピョンヤンで避難訓練が実施されたことがあった。しかし、それ以降、しかも多くの地方都市で大規模な避難訓練が行われたことはない。トランプ大統領のアジア歴訪にタイミングを合わせるように、アメリカの空母3隻をはじめとする攻撃用艦隊が朝鮮半島周辺に配備されている。これも前代未聞のこと。金正恩委員長は「これはアメリカによる侵略行為の前触れに他ならない。われわれにも備えがある。アメリカ本土を火の海にしてみせる」と息巻いている。

 ※続きは11月10日のメルマガ版「世界最新トレンドとビジネスチャンス」第87回「トランプ大統領のアジア歴訪に合わせて実施された北朝鮮の避難訓練:目的はアメリカとの戦争か白頭山噴火への備えか?(前編)」で。


著者:浜田和幸
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