まるの会の一條氏と須見容疑者の腐れ縁 一方、福岡のR社でまるの会セミナーが…

まるの会の一條氏は、なぜ須見容疑者と縁を切ることができなかったのか

 既報の通り、S DIVISION HOLDINGS(SDH)の実質的経営者・須見一容疑者(以下、須見)が金融商品取引法違反の容疑で逮捕された。須見は金融の免許を取って事業を行っていると言っていたが、実際には免許がないまま客のお金を集めて、俗にいうポンジスキームでお金を回していた。

既報『SDHの須見一容疑者が逮捕 フィリピンをめぐる巨額金融商品事件 170億円超か

 その一端を「まるの会」の一條好男氏(以下、一條)が担い、被害を大きく広げてしまった。

 ポンジスキームにありがちな、あたかも儲かるようなビジネススキームを作成して、これらを講演会などで被害者になる投資家に説明する。書類などはきちんとできている為、被害者らは信用してお金を出してしまう。その後、集金したお金の一部を配当として投資家に戻すことで、あたかもビジネスが回っているように思わせ、次々と被害者を増やしていく。実際、なぜ騙されるのかと思うのだが、信用のある相手から「これはすごいチャンスである」と言われてしまうと、「やったほうが良いのではないか、この人がいうのだから信用できるのではないか」となり、その結果、お金を出してしまう。

 今回の案件は、まさに教科書通りの話であると思われる。

 本事案では、須見と一條はお金を集めて大きく手数料を抜き、それらの金融商品を基に確認もしないまま日本企業を世界に向けて発信するとか、中小企業の資産を守るなど、耳あたりの良い言葉と体育会系のノリで周りを巻き込み、実際には自分の手数料に変えていくスキームを構築していた。

 一條は須見を信じ、実際に事業をやっていると思っていた。一條はフィリピンも訪問しており、実際に事業をしていることを確認していたと思われるが、お金の流れなどは確認していなかったと思われる。しかし、一條の元には大きな手数料が入ってきたと思われるので、まさかポンジスキームであるとは思わなかった、つまり須見は信じるに値すると考えていたのかもしれない。

 しかし、須見のあの派手な生活を見た上で、そう思っていたのであれば、それはあまりにも見識がないように思われる。つまり、人からお金を集める資格がないということになる。

 須見の話を基に、儲けたお金で須見と共有の不動産であったり、フィリピンの通信機器等の事業に投資を行い、さらに外国の不動産案件などにお金を出すと言いながら、中身をろくに調べないまま、勝手なキャンセルを行ったりしていた。

 一見すると男前な仕事ぶりのようで、実は自分の利を最優先していたと思われる。須見とは利権のある不動産などを基に別事業を立ちあげ、2人で利益を得るようなスキームを考えていたために離れることができなくなっていったものと思われる。フィリピンにおける事業や外国における金融など、須見の問題に一條は加担し、結果として何も生まれることがないまま、周辺への被害・迷惑が広がっていった。

 当時、投資を集めるビジネスは一條のカリスマ性もあり、周辺の人々はドンドン巻き込まれて須見への投資やスリーダムアライアンスへの投資に消えていった。

 須見の話は、ポンジスキーム特有の前半は派手にお金が回り、あたかもリスクがない上に確実に儲けられると錯覚を起こし、クチコミや派手な説明会により、とくに地方の人々はドンドン巻き込まれていったと思われる。

 しかし、実際のところ須見は日本への送金が行えないことなどを理由に利回りを回すことができなくなっていった。この時点で一條がすぐに対応していれば良かったのだが、もともと確認をしないまま進めていたことを今さら確認するのは自分自身を否定することになると思ったのか、フィリピンにお金は入っているという思い込みのまま、須見の言葉を信じてしまっていたのではないかと思われる。

 そんな不確かな状態が続いていたなかで、須見は金融庁から営業停止を受けてしまった。その時点で須見のお金はフィリピンには、ほんの一部しか入っていなかった事実がわかるのだが、すでに後の祭り。一條も須見にいっぱい食わされたかたちになった。

 一條は、投資は自己責任のようなことを投資家に言っているようだが、自分は投資先をろくに調べもせず、「儲かりますよ」という甘い言葉を投げて、投資家を募った結果、結局は須見の術中にハマり、フィリピンに送金されているかどうかなど、投資家を集めた側として最低のチェックもしないまま自分も騙されたとして被害者面をするのはおかしな話である。

 須見と一條は、お互いきちんとした確認もしないまま、ウソのネタを基に投資家からお金を集め、さらに先に手数料を抜いて2人で不動産投資など、さらなる儲けのためのビジネスを構築しようとしていた。結果として、須見は逮捕され、一條は被害者面をしている。だが間違いなく彼は須見と共謀したビジネスをしていたという点では、被害者から集めたお金を基に2人で別ビジネスを立ちあげようとしていたことは間違いなく、その前に須見があまりにも世間を舐めていた為に相棒である一條を裏切り、すべてのお金を自分のものにしようとした。まさにキツネと狸の化かし合いであり、お金を出した側からいえば、どちらも加害者であることには間違いないと思われる。

 一條が行っている金融案件は、投資家からお金を出させておきながら、ろくに確認もしないまま、個人の贅沢を優先しているような輩にそのための資金を提供しているに過ぎない。

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まるの会から福岡の企業でのセミナーの案内が…

 須見逮捕のニュースが報じられた翌週、まるの会から会員宛に以下のような案内が届いた。

まるの会会員様

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、福岡発・全国へ展開する注目企業「R社」の企業視察会を開催いたします。

「お客様第一主義」を理念に掲げ、貸し会議室、レンタルオフィス、宿泊施設、不動産、飲食など、多彩な事業を展開するR社。

創業から**年、「貸す」というキーワードを軸に、(中略)時代の変化に柔軟に対応しながら、現在では5,000戸以上の物件を管理し、貸し会議室・ホテル事業などにも業務を拡大し、全国に広がる強固な事業基盤を築いています。

本視察では、グループ代表の**氏より、創業からの歴史や事業変遷、そして現在に至るまでの戦略や経営哲学を直接お話しいただきます。

また、福岡の一等地に構える自社ビルの視察や、社長室の見学も予定しており、リアルな経営の現場から多くの学びを得られる貴重な機会となっております。

■開催概要
 日時:****年**月**日(*)
 集合:******
 所在地:*****
 対象:経営者/次世代リーダー/後継者など
 定員:15名(先着順)
 参加費:10,000円(税別)

 R社はグループで10社ほどを形成する。SDHのような虚業ではなく、不動産事業を行う立派な会社である。そのようなまともな会社が、SDHの集金にも関わっていた「まるの会」がらみでセミナーを行うとは…。当社はかねてから「まるの会」にからむさまざまな問題案件について情報発信を行ってきた。R社がこれらの問題について承知の上で「まるの会」でセミナーを開催するとは思えず、当社の情報発信力の不足と不甲斐なさを痛感するばかりだ。

【青木義彦】

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