2024年03月29日( 金 )

おそまつな空気清浄機レンタル事業、支払い遅延のSoft-EX(後)

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支払いだけでなく交換用ボトルも遅延

レンタル契約の申込書(黒塗りは編集部)

 商標登録の問題で、レンタル用空気清浄機の商品名が使用差し止めになった(株)Soft-EX。支払いの遅れは1年近くになろうとしており、同社の経営方針に疑念が生じている。本当に支払いを行う意思があったのか――。購入者のなかには、詐欺として刑事告発を行おうとしている動きもある。

 空気清浄機の設置拡大を大前提に購入者を募っていた同社だが、そのレンタル事業でもトラブルが発生していた。東京都内で複数の事業所を展開するAさんは今年1月、取引先の紹介でSoft-EXの空気清浄機6台のレンタルを申し込んだ。空気清浄機は次亜塩素酸水のボトルを月1回交換して使用。毎月、交換用のボトルが届き、2月から1台あたり4,752円が口座から引き落とされるようになった。

 「ボトルは1カ月で交換と聞いていたが、早くて1週間や、2~3週間でボトルの液体がなくなっていた。Soft-EXに問い合わせたが、『製造番号によってばらつきがある』という納得のいかない説明。音がうるさくなったり、急に電源が入らなくなったりもした。欠陥品だと思う」とAさん。強い不満を抱いたが、Soft-EXの販売代理店を行っていた取引先との付き合いを考えて、そのまま置いておくことにした。

 しかし、その取引先から空気清浄機に関して「Aさんのところは大丈夫ですか?」との問い合わせがきた。聞けば、他のレンタル利用者から交換用ボトルが届かないというクレームが寄せられたという。事業所に確認してみると、4月末に届く分が納品されていなかった。後日、郵便書面で遅れに関する説明があり、5月中旬に納品があった。5月末分でも、いくつかの事業所には交換用ボトルが届かず、6月以降は連絡もなく納品がストップした。

 その挙句の9月29日、「現在、海外からの大型受注にともなう水の材料不足や包材不足が重なり、お届け日が10日前後遅れる可能性が出てきております」とのメールがSoft-EXから届いた。3カ月も放置しておいての言いぐさではない。そのころには、Aさんも、購入者への支払い遅延といった同社のトラブルを知っており、「とんでもない悪質な会社だ」とレンタルの解約を決意したという。

 「水で液体をうすめて使っていた」(飲食店経営者)など、交換用ボトルの液体が1カ月よりも早くなくなるという情報は、他のレンタル利用者からも寄せられている。欠陥商品が劣悪なサービス体制によって、数十万台も設置が急拡大するということは考えられない。支払いだけでなく、交換用ボトルの配送も大幅に遅れていたSoft-EX。同社自慢の空気清浄機は、名前だけでなく、信用も失っている。

(了)
【山下 康太】

 
(前)

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