2022年05月24日( 火 )
by データ・マックス

アビスパ福岡、プレーオフに散る 名古屋0-0福岡

 3日、アビスパ福岡と名古屋グランパスのJ1行き最後の切符を賭けた昇格プレーオフが豊田スタジアムで行われた。試合結果は0-0のスコアレスドローで、リーグ戦で上位の名古屋が1年でのJ1昇格を果たした。

 試合は福岡のペースで始まった。勝たなければ昇格できない福岡は、得意とする前線からのプレスを展開。FW仲川輝人、FWウェリントン、FW松田力が、ボールを持った相手DFとボールの受け手を連動してチェックに行く。MF田口泰士、MFガブリエル・シャビエルらボールテクニックに秀でた名古屋中盤が自由なかたちでボールを持てないようにプレッシャーをかけ続けた。
 しかし先に決定機を迎えたのは名古屋。13分、左利きのガブリエル・シャビエルが右からのコーナーキックを蹴る。ボールはゴール方向にカーブし、そこに田口が完璧に合わせて豪快なヘディング。ボールはネットに突き刺さった……が、その前に名古屋FWシモビッチが福岡GK杉山力裕を手を使って抑え込んでいた、ということでファウル。得点は認められなかった。
 次に得点に近づいたのは福岡だった。19分、名古屋ゴール前での混戦からクリアされたボールをMF山瀬功治がダイレクトでシュート。強烈なミドルシュートはジャンプした名古屋GK武田洋平の手をかすめてクロスバーを直撃。こぼれたボールに仲川輝人が詰めたが、GK武田ががっちりと抑え込んでゴールを許さない。

 前線からのプレスはスタミナを消費するため、1試合フルに続けられるものではない、後半に入ると、やや緩んだプレスをかいくぐるように名古屋がボールを回し、攻撃に転じるシーンが増えてくる。とくに名古屋MF和泉竜司は素晴らしいドリブルで何度も福岡の陣内深く侵入し、中央のシモビッチやガブリエル・シャビエルに効果的なボールを送り込んでいた。福岡もサイドからの攻撃を仕掛けるが、名古屋DF櫛引一紀らの冷静な対処に遭い、決定機を迎えられない。
 58分。福岡は今シーズン何度も決定的なゴールを決めてきた、DF駒野友一からウェリントンへのホットラインが開通。絶妙なクロスからのヘッドでゴールマウスをこじ開けるが、これは微妙な判定でオフサイドに。両チームともゴールが遠い状態が続いた。
 組織的な守備が難しいオープンな攻め合いのなかでも、福岡DF陣は集中を切らさない。とくに199㎝92㎏の巨漢FWシモビッチに対し、19歳の福岡DF富安健洋は徹底的にマーク。ポストプレーを何度も阻み、決定機を未然に潰してきた。

 引き分けは負けと同じ意味を持つ福岡は、その後FW石津大介、FW城後寿を投入して攻撃に出るが、ゴール前最後の場面での正確さに欠ける。仲川、ウェリントン、石津、城後らが何度も天を仰ぐなか、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

「1年で昇格」を合言葉に始まったアビスパ福岡の今シーズン。それにふさわしい補強を行い、シーズン前半は首位で折り返し。しかしその後は思わぬ勝ち点の取りこぼしが続き、3位で迎えた最終節も勝ち切れずに名古屋の後塵を拝す形になった。仮に3位でプレーオフに臨んでいれば、引き分けで昇格を勝ち得ていたのは福岡だったことを考えると、返す返すも残念だ。シーズン中、ふとしたことで取りこぼした勝ち点がどれだけあったことだろうか。

 J1は2日に全日程を終え、川崎フロンターレが最終節に驚異の逆転劇を見せて初めてのタイトルを獲得した。一方でヴァンフォーレ甲府、アルビレックス新潟、大宮アルディージャは来シーズンJ2での戦いとなる。甲府と新潟は予算規模こそ大きくないものの、的確な外国人選手獲得で長くJ1に残留を続けてきた試合巧者。大宮は昇格・降格を繰り返すかたちになっているが、こちらは潤沢な予算が持ち味だ。今シーズン後半に強烈な追い上げを見せたジェフユナイテッド千葉、スペイン人監督の改革が大成功した東京ヴェルディなどを相手に、来季もJ2では長く厳しい戦いが待っている。

 アビスパ福岡の2018年は、今シーズンと変わらず昇格を目指すシーズンとなる。今度こそ自動昇格、いや優勝を目指し、選手はトレーニング、フロントは補強に勤しんでほしい。もう、2018シーズンは始まっているのだ。

【深水 央】

 

関連キーワード

関連記事