ホテル日航福岡の快走のその訳は?
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際立つホテル日航福岡の業績急伸
インバウンド客の急増は、福岡のシティホテルに好影響を与えている。稼働率アップと宿泊単価の上昇である。福岡市大手ホテル3社(ホテルオークラ福岡、ニューオータニ九州、ホテル日航福岡)の業績数字を添付している。参照されたし。この5期の決算概要を見ても、3社とも業績は着実に進展している。ただし3社の業績進展にはそれぞれの特性がある。
ホテルオークラ福岡の5期間の売上増は1億3,000万円にとどまっている。ただし収益面では16年、17年3月期で大幅に改善し、久しぶりに税引き後利益1億円を突破した。増益の要因としては宿泊費の値上げと宴会の増大が挙げられる。やはり地場企業の業績回復の恩恵もあり、宴会件数が増えているという。
ニューオータニ九州は5期間で売上を3億8,000万円増収させて収益面の確実に改善してきている。「我々シティホテルにとっては、インバウンドの効果はビジネスホテルほどにはない。業績回復の最大の要因は地場の景気が回復したからだと見ている。だが、これだけビジネスホテルの新設ラッシュが続けば、今後福岡のホテル事情がどうなるのか不安に思う一面もある。福岡のホテルがブラッシュアップされるためには、世界レベルのホテルの進出が望ましい」とコメントする。
手堅く業績回復を進めている2社と比較すると、ホテル日航福岡の業績急伸には驚かされる。同ホテルは前述2社と比較すると過去の業績に精彩がなかった。債務超過に陥っていたこともあって、一時ホテルオーナー会社である九州勧業と、フランチャイザーのJALホテルズとの軋轢もあったと囁かれていた。
都ホテルの休館で漁夫の利を得る
ホテル日航福岡は5期間で売上を10億円伸長させ、税引き後利益を15倍増益という驚異的な記録を達成させた。17年期において債務超過も一掃されたようだ。その最大の要因は、筑紫口にある同業の博多都ホテルの休館によるものだ(19年秋開業予定)。加えていえば、博多駅の利用者が急増しており、「駅に近い」という地の利を遺憾なく発揮できたということであろう。もちろん、経営陣が積極的な経営策を打ったことが功を奏したことはいうまでもない。
なお同社とオークラ ニッコー ホテルマネジメント(前のJALホテルズが吸収された)との契約更新が近づいている。業界筋では「オーナー会社である九州勧業が、どのような判断を下すか」と興味津々である。
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