• このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年02月14日 15:19

変わりゆく都市・福岡のなかで地域の魅力をどう打ち出すか(前)

(株)エフ・ジェイ ホテルズ 取締役会長 榎本 重孝 氏

 国際的なブランド力を誇る「グランド ハイアット 福岡」を始め、「ハイアット リージェンシー 福岡」や「フォルツァ」シリーズなど、福岡地所グループにおけるホテル事業を担当している(株)エフ・ジェイ ホテルズ。同社は「福岡・九州をもっと熱く、もっと楽しくしたい」「魅力あるまちづくりと地域づくりに取り組みたい」という福岡地所グループの企業姿勢の下、九州ホテル業界のリーディングカンパニーとしての成長を続けている。今回、エフ・ジェイ ホテルズの取締役会長であり、福岡地所(株)の取締役副会長も務める榎本重孝氏に、話を聞いた。

(聞き手:弊社代表・児玉 直)

続くインバウンド 福岡で何を見せていくか

 ――今、インバウンドによる大勢の外国人旅行者が福岡を訪れています。とくに御社の「グランド ハイアット 福岡」も入る「キャナルシティ博多」は、福岡で最もインバウンドの恩恵を受けられているように思います。

(株)エフ・ジェイ ホテルズ 榎本 重孝 取締役会長

 榎本会長(以下、榎本) これほどまでに海外からのお客さまが福岡に、そのなかでもキャナルに訪れてくれるようになるなど、開業当初は思いもしませんでしたね。キャナルの場合は、今のようなインバウンドブームが訪れるのに先立ち、2012年4月に「ラオックス」がテナントとして入ったことも要因としては大きいと思います。ありがたいことですね。

 ――ラオックスのほかにも、キャナルにはさまざまなテナントが入っていますから、インバウンド客の滞在時間が長いのでしょうね。

 榎本 それだけ施設内をいろいろと、ブラブラ見て回れますからね。ただし、乗降の際にバスをどう停めるかが一番の課題にはなってきます。毎日、夕方4時ごろには、まるで修学旅行生のように大勢が押し寄せていますからね。これについては、近隣に駐車場を借りるなどして対応しています。

 ――今も博多港には、クルーズ船で毎日数千人が福岡に訪れていますしね。

 榎本 本当にすごいですね。ただ、以前は船で訪れる方が大半でしたが、近年は飛行機で福岡を訪れる外国人旅行者の数も増えているように思います。クルーズ船の場合ですと、朝に博多港に着いて、昼間は福岡市内を始め太宰府などを観光で回り、そして夜には再びクルーズ船に乗って福岡を離れてしまいます。つまり、福岡には買い物で訪れるだけで、宿泊することはありません。一方で、飛行機で福岡に訪れる外国人旅行者は、福岡に泊まってくれます。うちの場合ですと、「グランド ハイアット 福岡」に泊まられる方もいらっしゃいますし、ビジネスホテルの「フォルツァ」や、もう少しリーズナブルな「サンライフホテル」など、一定のクラスだけでなく、各クラスともにそれぞれ宿泊客が増えています。こうした現象は面白いと見ています。

 ――今、海外からは、おおよそどのくらいのお客さまがいらっしゃっているのですか。

 榎本 キャナル全体ではわかりませんけれど、「グランド ハイアット 福岡」での外国人宿泊者は全体の30数%になります。うち7割が韓国で、あとは中国や香港、台湾からのお客さまが多いですね。

 ――こうしたインバウンドの状況は、いつまで続くと見られていますか。

 榎本 私見ですが、案外長続きしていくのではないかと思っています。というのも、アベノミクス「3本の矢」といわれる「民間投資を呼び起こす成長戦略」ですが、この実現は難しいと見ているからです。となれば、成長戦略のためには、もうインバウンドしかありません。外国人旅行者がもっと来やすい状況にしてあげるために、通関手続きのスピードアップなども含め、これからもさまざまな手が講じられていくのではないでしょうか。

 ただし、そうした政府の取り組みの一方で、各都市の魅力づくりも欠かすことはできません。たとえば京都などは、世界に誇る観光都市ですし、多くの外国人旅行者が訪れたいと思うだけの魅力を備えています。では、福岡はどうでしょうか。福岡にきた外国人旅行者に何を見せるか、そしてできれば九州内の周遊へとつなげていく―。たとえば、福岡に泊まり、湯布院などの九州内の観光地をめぐり、3日間くらいして帰る。そういった各地の連携や魅力づくりを含めた取り組みを進めていかないといけません。

(つづく)
【文・構成:坂田 憲治】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:清原 邦彦
所在地:福岡市博多区住吉1-2-82
設 立:1978年3月
資本金:9,950万円
売上高:(17/5)約129億7,400万円

<プロフィール>
榎本 重孝(えのもと・しげたか)
1946年生まれ。77年、28歳のときにブラジルに渡り、都市開発に携わる。14年間のブラジル生活を経て帰国。現在は(株)エフ・ジェイ ホテルズ取締役会長のほか、福岡地所(株)取締役副会長など、多くの役職を兼務。福岡の地域経済活性化のために尽力している。

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2018年10月17日 07:07

『週刊金曜日』への反論

  『週刊金曜日』が「ネットニュースが煽り立てる『乗っ取り劇』」と挑発  10月12日発売の週刊誌『週刊金曜日』1204号「金曜アンテナ」コーナーに、Net...

2018年10月21日 07:05

【続報】産廃不法投棄事件の真相(3)~裁判資料から当時を読む

   佐賀県鳥栖市で産業廃棄物の中間処理場を運営していた(株)北斗が起こした不法投棄問題。事件発覚から4年が経過した今年7月、鹿児島県に不法投棄された廃石膏ボー...

2018年10月21日 07:00

人類の未来と日本(7)

   西田哲学の面白いところは、対立から矛盾までは西洋の弁証法と同じだが、西洋の場合は矛盾の解消に向かうのに、西田はそうするか割に、矛盾を矛盾のままにしておくところ...

2018年10月20日 07:04

【続報】産廃不法投棄事件の真相(2)~裁判資料からわかった当時

   佐賀県鳥栖市で産業廃棄物の中間処理場を運営していた(株)北斗が起こした不法投棄問題。事件発覚から4年が経過した今年7月、鹿児島県に不法投棄された廃石膏ボー...

2018年10月20日 07:01

世の中に絶望しなければならない事態はない。困難な状況を楽しめ!(4)

  吉野家ホールディングス 会長 CRC企業再建・承継コンサルタント協同組合 特別顧問 安部 修仁 氏 変化はチャンス、状況を楽しめ ...

2018年10月20日 07:01

人工知能(AI)は人間を見つめ直す鏡である!(4)

  玉川大学文学部教授 岡本 裕一朗 氏 神が人間をつくったのではなく、人間が神をつくった  ――今度は、「AI vs宗教」について教えてくだ...

2018年10月20日 07:00

人類の未来と日本(6)

   数年前のことだ。ある国際学会で「新時代のヴィジョン」というテーマで発表してほしいと頼まれた。アメリカから数名の学者も招くので、日本からも何か貢献をしてくれとい...

2018年10月19日 17:31

KYB改ざんダンパー ヒューリックリート「保有する1物件該当」

   ヒューリックリート投資法人は19日、保有もしくは保有を予定している物件のうちの1つで、改ざんが発覚したKYBの免震オイルダンパーが使用されていたことを発表した。...

2018年10月19日 17:27

「幸せ」を届けるモン!~くまモンのアニメ制作が本格始動

   熊本県と「アニメくまモン製作委員会」(吉本興業、アサツーディ・ケイ、アイアトン・エンタテインメント、ザフール)は18日、人気ご当地キャラクターとして知られる「く...

2018年10月19日 17:21

データ改ざんのKYB 建物70棟を公表

   データ改ざんが発覚した油圧機器メーカーのKYB(株)と子会社のカヤバシステムマシナリー(株)の免震・制振装置に関する物件の一部をKYBが公表した。物件は以下の通...

pagetop