初取材の視点から
福岡2区の選挙事務所に足を踏み入れ、まず圧倒されたのは、集まった取材陣の多さと、150人はいたと思われる支援者の熱気だった。支持団体の関係者や支援者が集まった事務所では、スーツ姿の男性が目立つ。開票を待つ事務所内は終始ざわついており、「鬼木誠に声を届けてほしい」という期待が、空気そのものに満ちているように感じられた。
午後8時、支援者たちが声をそろえて開票までのカウントダウンを読み上げる。その直後、すぐに当選確実の情報が伝えられた。盛り上がりのなかで、鬼木誠氏本人が姿を見せると、さらに大きな拍手と「鬼木誠!」という叫び声が飛んだ。速報を見つめながら涙を流す人の姿も少なくなく、当確が出るまでの本当に一瞬の時間に、支持者たちの思いが凝縮されているように映った。
前回も取材した記者の視点から
この光景は、前回2024年10月の選挙でも同事務所を取材した立場から見ると、なおさら対照的だった。前回は「政治とカネ」の問題も影響し、小選挙区での勝利は難しいだろうという空気が選挙事務所を覆っていた。小選挙区は接戦となり、開票を待つ時間は長く、インタビューに応じる関係者の声も沈みがちだった。結果は深夜、比例代表での当選となり、万歳が自然に起こるような雰囲気ではなかった。
それに比べ、今回はあまりにも展開が早い。開票時点で当選確実の情報がいち早く伝えられ、支持者からの拍手が鳴り止まない。前回よりも人が多かったように見える事務所では、とくに揃いの赤いジャケットを着たスタッフや関係者の表情が明るく映った。喜びが抑えきれず、司会進行役から軽くたしなめられる場面も見られた。
同じ選挙事務所でありながら、前回とはまったく違う空気が流れていた。前回との落差もあり、政治の世界は本当に水物だと、改めて実感させられる選挙当夜だった。
【和田佳子・岩本願】








