シーナ&ロケッツの半生をNHK福岡がドラマ化~「地域ドラマ」枠で3月2日放送
ロックバンド、シーナ&ロケッツの半生を描くドラマ「You May Dream ユー・メイ・ドリーム」が3月2日、NHK福岡で放送される(九州沖縄地方/夜7時30分~)。

NHK福岡・地域ドラマ「You May Dream ユー・メイ・ドリーム」(3月2日/九州沖縄地方/夜7時30分~)
シーナ&ロケッツは、久留米市出身の鮎川誠さんと北九州市出身のシーナさん夫婦を中心に結成されたロックバンド。ギターの鮎川さんは、1970年代から80年代にかけて、「めんたいロック」として全国に知られた福岡のロックシーンで活躍。「めんたいロック」の元祖とされるサンハウスではメジャーデビューもはたした。
サンハウス解散後、78年にシーナ&ロケッツとしてデビュー。女性ロックボーカリストの元祖と呼ばれるシーナさんの個性的なボーカルと、鮎川さんのシンプルで力強いギタープレーで人気を博し、結成以来休むことなく活動を続けてきた。
しかし、結成40年が近づいた2015年、シーナこと鮎川悦子さんが子宮頸がんで死去(享年61)。自覚症状が出てから1年あまり、シーナさんの闘病生活を支え続けた夫・誠さんとの早すぎる別れだった。シーナさんの通夜で誠さんは、「シーナは(治療よりも)迷わず最後までロックをするって選びました」と涙ながらに語り、バンド名を変えずに音楽活動を続けることを宣言している。
鮎川さんのスタイリッシュな風貌と朴訥(ぼくとつ)な筑後弁のアンバランスさ、さらに周囲もうらやむ夫婦仲の良さなど、シーナ&ロケッツは夫婦2人のキャラクターも多くのファンから愛されてきた。福岡のロックファンにとって〝シナロケ〟は「めんたいロック」を象徴する存在だ。

シーナを演じる石橋静河
その2人に焦点を当てたドラマを、NHK福岡が地域ドラマ「You May Dream ユー・メイ・ドリーム」として制作した。ドラマでは、鮎川さんとシーナさんの出会いから、シーナさんの父親が背中を押した東京進出、そして全国的な人気を得ていく半生に焦点をあてる。撮影は福岡市と北九州市を中心に行い、シーナ&ロケッツの誕生を追いながら福岡で生きる人々の姿をいきいきと描き出す。
シーナ役には、CMなどで活躍中の石橋静河さんを抜擢(父親は、ARBのボーカリストで俳優の石橋凌さん/久留米市出身)。鮎川誠役は福岡県出身の注目の若手、福山翔大さんが演じる。ドラマで重要な役割をはたすシーナの父親役には西南学院高校出身のベテラン俳優、松重豊さんを起用、佐田正樹さん(糟屋郡出身)、徳永玲子さん(シーナの母親役/太宰府市出身)などの「福岡ネイティブ」で脇を固めた。ライブシーンでは当時の雰囲気をそのままに再現することにこだわり、ドラマの見どころの1つになっている。
昨年結成40周年を迎えたシーナ&ロケッツ。「あの頃」を知るオールドファンからその孫の世代まで、ロックな夫婦が手を取り合って駆け抜けた日々を追体験してほしい。

鮎川誠を演じる福山翔大