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2018年04月16日 11:59

「総辞職しかない」。自民党から漏れ始めた「安倍退陣プラン」の全貌

 「もう解散総選挙は無理。今国会を何とか乗り切って、秋の総裁選不出馬を表明できれば満点だが、会期中の総辞職もあり得るだろう」
 こう語るのは、自民党ベテラン衆院議員。安倍晋三首相の“刎頸の友”、加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園の獣医学部新設で、愛媛県と今治市の職員が2015年4月に首相官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面会。その際、県職員が報告のための備忘録として作成したメモには、柳瀬氏から「首相案件」として伝えられていたことが書かれていた。これを朝日新聞が4月10日、スクープした。
 この記事をきっかけに、国会は連日混乱を極めている。野党は柳瀬氏をはじめ、関係者の証人喚問を求め、与党側も二階俊博・自民党幹事長が、「国民もうんざりしているだろうが、われわれもうんざりしている。こういうことは早く明確にしていくことが大事だ」と語り、公明党の山口那津男代表も「きちんと国民に説明責任を尽くすことが大切だ」と述べた。

 森友学園問題では3月、佐川宣寿前国税庁長官を証人喚問。国有地売却に関する決裁文書改ざん問題を巡り、昨年の国会で財務省理財局長だった佐川氏は野党の質問に対し、「刑事訴追の恐れがある」と、一貫して証言を拒否した。一方で、安倍首相と妻の昭恵氏、首相官邸からの指示は「一切なかった」と完全否定した。このことから自民党内では、文書改ざんについて「政治家の関与や官邸の関与がないことが証明された」と安堵の表情を浮かべる者も多い。
 とはいえ、内閣支持率の低下は深刻だ。各社の世論調査では軒並み10ポイント以上落ち込み、不支持率が支持率を上回った。
 「秋の自民党総裁選で、安倍首相の3選に黄信号が灯った。何しろ来年は、統一地方選と参院選が控えている。石破茂元幹事長や野田聖子総務相はすでに総裁選出馬を表明しており、無投票での信任は完全にない状態。安倍首相が3選をはたすために、6月の会期末解散があるのでは、と見られていました」
 そのシナリオは、こうだ。5月中旬以降に昭恵夫人に謝罪会見をさせる。本人は関与していないものの、軽率な言動で混乱を招いたとお詫びをする。そのうえで、信任を得るため再び解散に踏み切るはずだった。これで公明党を含めた与党で再度過半数を確保すれば、堂々と総裁選で3選をはたし、悲願の憲法改正に着手するという目論見だ。
 ところが、朝日新聞のスクープ記事で事態は一変。もはや、安倍首相が解散に打って出ようとするならば、党は羽交い締めにしてでも阻止するという。そのワケを自民党中堅衆院議員の政策秘書がこう語る
 「まさにデジャブ。第一次安倍政権の末期症状を再び見せつけられているからです」
 第一次安倍政権は、06年9月に発足。官房長官に塩崎恭久氏、総務相に菅義偉氏などが就任したことから“お友だち内閣”と揶揄された。当初の期待値は高かったものの、同年12月の佐田玄一郎行政改革担当相の事務所費問題を皮切りに、柳澤伯夫厚労相の「女性は子どもを産む機械」発言、松岡利勝農水相の事務所費問題および松岡氏の自殺、後任の赤城徳彦農水相にも事務所費問題が発覚。久間章生防衛相の「原爆投下はしょうがない」発言もあった。
 こうした閣僚の不祥事や失言で支持率は急落し、07年の参院選で与党は過半数割れの惨敗。8月に改造内閣を発足させたものの、遠藤武彦農水相の違法献金や不正受給が発覚、さらに額賀福志郎財務相の事務所未登記や鴨下一郎環境相の借入金記載不備などが相次いだ。所信表明演説からわずか2日後に安倍首相は辞任を表明し、わずか1年で安倍政権は崩壊した。

 この第一次安倍政権と酷似しているのは、“ドミノ現象”だと前出の政策秘書は指摘する。第一次政権時は閣僚の不祥事や失言だったが、今回は森友学園疑惑に絡む文書改ざん問題と、「ない」といわれていた自衛隊の日報が存在していた問題、さらには加計学園の「首相案件」問題など、官僚を巻き込んだ“不祥事”が続発している。この改ざんや隠蔽の “ドミノ現象”が、第一次安倍政権崩壊の流れと酷似しているというのだ。

 では、会期中に総辞職はあり得るのか。自民党関係者はこう明かす。
 「政党支持率で自民党は現在、30%台ですが、内閣支持率に引きずられて20%台に落ちこんだりすれば、もう内閣を総取っ換えしてもらうしかないでしょう」
 内閣支持率と政党支持率を足して5割を切れば政権は末期とみられ、退陣を余儀なくされる。しかも、それは現実味を帯びていて、すでに自民党内では会期中に安倍内閣が総辞職した場合の“総裁選プラン”も考えられているという。
 「本来、自民党の総裁選は地方の党員投票もあるため、時間をかけて選挙戦が行われます。しかし、政治空白をつくれないため、地方票は各県連が1票として投票してもらう。地方議員や党員の票をどうまとめるかは各県連にお任せし、国会議員の投票も含めて短期間で決める方法などが考えられています」(自民党関係者)
 もはや党内でも見放された安倍内閣。自らの足元が崩れ去ってしまえば、終焉の日も遠くはない。

 
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