2024年04月29日( 月 )

安倍内閣即刻退場実現後の政治刷新を構想

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は
安倍政権後の政治刷新の必要性について論じた4月23日付の記事を紹介する。


「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」とは、英国の歴史家ジョン=アクトンの言葉だが、もりかけ疑惑、山口疑惑は、この言葉の正当性を裏付けている。

安倍政治の根幹である

戦争・弾圧・搾取

に対する主権者国民の反発は強い。

「安倍一強」と表現されるが、国会における議席数において自公の与党が3分の2を占有していることから、このように表現されるのだが、主権者である国民の支持においては、そもそも安倍政権は盤石な基盤のうえに立脚していない。
選挙には主権者の半数が棄権している。半分しか選挙に行っていないなかで、安倍政権与党は選挙に行った主権者の半分弱の投票しか得ていないのである。
安倍自民に限っていえば、全有権者の17%程度の投票しか得ていない。主権者の6人に1人しか安倍自民には投票していないのだ。
その安倍政権が横暴の限りを尽くしてきた。日本を「戦争をする国」に変えてきた。福島の事故が収束していないなかで原発を全面的に推進している。そして、経済政策においては、大資本の利益だけを追求し、主権者国民の生活を台無しにしてきた。これらの政策路線に反対である主権者は過半数を超えていると見られる。

ここ数年クローズアップされてきた問題は、政策以前の問題である。森友事案は首相夫妻が昵懇にしてきた人物が経営する学校法人に時価10億円の国有地が実質200万円で払い下げられた事案である。この国有地激安払い下げが実行された最大の背景は、安倍首相夫人の昭恵氏が新設される小学校の名誉校長に就任したことだ。
実際、安倍昭恵氏が公務員の秘書に指示をして、この公務員が財務省と折衝したことによって激安払い下げが実現したのだと見られている。
安倍首相は国会答弁で「私や妻がかかわっていれば総理大臣も国会議員も辞める」と宣言したが、この国会答弁を背景に膨大な公文書が改ざんされたと見られている。「かかわっている」痕跡を改ざんによって消滅することが、安倍首相の国会における異常な答弁の背景であったと見られている。
国有財産が適正な対価なくして譲渡されることは、財政法第9条違反の違法行為であり、国に損害を与える行為は刑法の背任罪に該当する可能性が高い。
安倍首相が「ばくしんの友=腹心の友?」と表現する加計孝太郎氏が経営する加計学園が愛媛県今治市に獣医学部を新設する希望を有していることを知ったうえで、これを国会戦略特区において実現させることに関与した疑いがある。
国家戦略特区諮問会議の議長は安倍首相であり、「首相案件」として、この決定がトップダウンで強行された疑いが浮上している。この疑惑に抵触するために、安倍首相は、加計学園の意向を知ったのは2017年1月だと強弁しているが、2015年4月の時点で、加計学園がこの案件について協議するために首相官邸を訪問した事実がほぼ明らかになっている。
これが事実だとすると、2017年1月に初めて知ったという安倍首相答弁が崩壊することになる。

安倍首相を持ち上げる著書を書いた元TBS職員の山口敬之氏が準強姦容疑で逮捕状を発付された。ところが、逮捕の執行寸前に、警視庁刑事部長の中村格氏が逮捕状執行を取りやめさせた。
政治的な背景から刑事手続きが妨害された疑いが濃厚である。あり得ない捜査妨害であると言わざるを得ない。山口敬之氏は無罪放免にされている。甘利明大臣のあっせん利得罪での立件が当然視されていたが、これも無罪放免にされた。すべてに共通する疑惑は、安倍首相による政治私物化である。
天下の公器である政治が私的な事情で根底から歪められる状況が日増しに深刻化している。
この状態を放置すれば、日本そのものが溶解してしまうことになる。日本メルトダウンである。従って、一刻も早く、安倍政権を退場させることが必要になっている。

※続きは4月23日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第2024回「安倍政権退場後の政治刷新戦術構築急務」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

 

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