2024年09月21日( 土 )

【福岡市役所インサイダー】「ある」けど「ない」、のが公務員の作法?!

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 ビジネスの世界においてスケジュール管理はとても重要なんだけど、公務員についても例外じゃないわけ。「相手の時間を無駄にしない」っていうのは当然のマナーだよね。そのためのツールが、組織でいえばスケジュール管理ソフトだし、個人でいえば手帳になる。これは、官民問わずどこでも一緒だと思う。とくに偉い人のスケジュール管理は対外的なものが多いから、細心の注意を払って管理されているはず。

 で、元首相秘書官の柳瀬(唯夫)さんなんだけど、愛媛県の公文書や内閣府から文科省へのメールなんていう動かぬ証拠があるにも関わらず、2015年4月2日に加計学園、愛媛県、今治市の人たちと「記憶の限りでは、お会いしたことはない」なんておっしゃってる。
 おいおい、首相官邸という国の中枢機関で、いったいどんなスケジュール管理をしていたのかと。あのね、あえて消そうとしなければ、たかだか3年前のスケジュール管理ソフトのデータがないわけがないんです。容量なんて、たかがしれてるわけですから。それと柳瀬さん個人の手帳ね。その日のスケジュールには面会の予定が書いてなかったのか、それとも手帳を確認してないのか、あるいは手帳を捨てちゃったのか。

 首相官邸の訪問者の記録もそう。私も何年か前に霞が関に行ったことがあります。所属・名前・訪問先・要件なんかを、きっちり書かせられましたよ、ええ。さすがに国の機関はセキュリティーが厳重だなと思いましたね。首相官邸では、こういった記録はどうしてるのか。

 まぁ、公務員の端くれとして予想はつきますけどね。きっと、「『ある』けど『ない』」のでしょう。どういうことかというと、(文書としては)あるけど(公文書としては)ないってこと。でも、こういう「あるけどない文書」は、政権が必要な時にはひょっこり現れるわけで。あ、そうか。「記憶の限りでは」って言っとけば、そういう文書が出てきても嘘をついたことにはならないんだ。

 今回は、留保付きの「ない」は「ある」を意味するという、公務員話法の話でした。ちょっとしたお作法ですね!ではまた。

 

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