2024年04月19日( 金 )

ド派手なセレブ生活から原点回帰へ(1)~(株)ストーンマーケット

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 天然石アクセサリー販売と名物社長のド派手なセレブ生活で一世を風靡した(株)ストーンマーケットだが、近年は業績低迷からリストラを余儀なくされている。メディア露出もすっかり影を潜め、地道に原点回帰を目指しているようだ。

合併で生き残りを図る

 2018年2月、(株)ストーンマーケットは関係会社の(有)ナカムラインターナショナルと合併することを公表した。ストーン社がナカムラ社の権利義務全部を承継して存続し、ナカムラ社は解散することになる。ナカムラ社はもともとストーン社の仕入れ部門的な会社であり、海外の業者から仕入れた材料をストーン社へ販売していた。販売先は実質的にはストーン社だけであり、ストーン社の業績拡大に合わせて規模を拡大した。11~13年ごろには20億円水準の売上高を上げている。その後はストーン社の業績不振の煽りを受け売上高が減少。赤字基調にも陥り、17年3月期では10億円(決算期変更のため9カ月決算)を割り込む売上水準にまで低下していたようだ。ストーン社も12年には80億円規模の売上高にまで拡大したが、17年3月期では60億円程度にまで縮小していたと推定される。ストーン社は経営不振からリストラを進めてきたが、その一環として両社の合併が図られたようだ。

 ストーン社は16年3月期から決算内容を非公表としたが、この合併に際して同社の17年3月期の決算内容の概要が明らかになった。要約貸借対照表では資産の圧縮が図られており、リストラを進められたことが伺える内容だが、驚くのは同期の赤字金額の大きさだ。16億円を超える当期赤字を計上しており、自己資本が半分程度にまで減少する結果となっている。推測だが、単年度の損益上の赤字ではなく、過去の不良資産の処理や店舗の整理損にともなう赤字の可能性が高いだろう。

 かつては芸能人や著名人との派手な交友関係を話題にし、セレブな名物社長として名を馳せた中村社長のメディア露出も、最近ではすっかり少なくなってしまった。業績不振で銀行の協力を必要とするような状況では、さすがに派手なセレブ生活をアピールすることも難しい。取材過程では、経営不振にもかかわらず相変わらずのセレブ生活アピールを続ける中村社長に対して「銀行がくぎを刺した」(関係者)との話も聞かれた。

 FACO(福岡アジアコレクション)へのスポンサー活動も16年までで辞めた。減額しながらも続けてきたが、資金的な余裕の無さから自粛したようだ。もはや中村社長が好き勝手に動かせる会社ではなくなってしまっている。銀行からの多額の借り入れが重荷となるような状況では、それも致し方ないことだろう。安価な天然石アクセサリーを、派手なセレブ生活を演じながら魅力的な商品に見せ業績を伸ばした側面もあるため、そのビジネスモデルが崩壊したともいえる。

(つづく)
【特別取材班】

 

(2)

関連キーワード

関連記事