2024年04月24日( 水 )

日大アメフト部悪質タックル問題~「福岡教育大学アメフト部監督はこう見る」

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福岡教育大学
アメリカンフットボール部監督 小俣 宏人 氏

 日大アメフト部の選手が、関西学院大アメリカンフットボール部との試合で、悪質な反則を犯した問題は、九州の学生アメリカンフットボールの指導者たちにも衝撃を与えている。

 福岡教育大学アメリカンフットボール部監督の小俣宏人氏は「野球で例えるなら、ホームベースでアウトの判定を受けた選手がベンチへ返るキャッチャーの後ろからスパイクをするような反則。受けた選手が予測できず、考えられないプレー――。中央とはレベルの差がある地方のリーグ戦であっても見たことがない悪質な反則」と苦言を呈する。

 小俣氏は意図がないとできないプレーであり、個人の判断というのはあり得ないと見立てる。「考え方が古い監督で厳しい指示をする人はいるが『わざと壊してこい』という指示は理解できない」(小俣氏)。

 日大の選手については、「目立たないポジションだがいい選手。日大が優勝した昨年の全日本大学アメリカンフットボール選手権大会の決勝戦でも勝利につながるプレーをした」と評価する。同選手がアメリカンフットボールを辞める意志を示していることについては「辞めたくなるだろうとは思う。しかし、残念。あまりにももったいない。そのうち落ち着いて心境の変化があれば、ぜひ続けてほしい」という。

 九州の大学フットボールの現状については「厳しい監督のチームは選手が離れていき低迷している。頭1つ抜けた存在の西南学院大学はクリーンなプレーで勝負するイメージだ」と時代が変わってきていることを痛感している。

 かつての小俣氏も指導法が厳しかったそうだが、指導する福岡教育大学アメフト部は未経験者がほとんど。「まずはアメフトというスポーツを経験して楽しんでもらえれば」と考え方を変え、少しずつチーム力を蓄えてきた。「アメリカンフットボールは奥が深く、プレーヤーも観客も熱中できるスポーツ。今回の問題でアメフト離れが起きないように願っている」と小俣氏は語る。

【鹿島 譲二】

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