2022年05月25日( 水 )
by データ・マックス

ロボット活用の最前線(前)

日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)

 漫画や映画に登場していたロボットが、今や産業現場に導入されているのはいうまでもなく、日常生活にも徐々に浸透しつつある。ロボットが正常に動作するためには、制御と通信ICの技術などが必要になるが、そのなかでも各種センサーの活用はロボット産業にとっては欠かせないものである。
 ロボットに必要ないろいろなセンサーが開発されている現在、ロボットは価格競争が厳しくなっている産業現場などを中心に、導入が増えているし、物流などの倉庫の自動化などにも寄与している。
 日本は世界一のロボット大国で、ロボットがかなり普及している。今は高齢化社会に対応すべく、介護用ロボットの開発などにも力を入れている。
 米国はというと、医療ロボット、軍事ロボットが強いようだ。このように世界の大きなトレンドは、今後、大きな成長が見込まれているロボット産業、とくに人工知能を搭載した先端ロボットの開発に注力することだ。

 それでは、韓国のロボット産業はどうだろうか。2015年6月、米カリフォルニア州で、米国国防高等研究計画局(DARPA)主催の災害用ロボットの世界大会が開催され、韓国チームが1位になり、世界を驚かせた。
 韓国理系大学の最高峰であるKAIST(韓国科学技術院)が開発した災害用ロボット「ヒューボ(HUBO)」は、すべての課題を最短タイムでクリアし、世界各国から出場した23チームを抑え、1位に輝いた。その結果、韓国チームは200万ドルの賞金を獲得した。2016年スイスで開催された障がい者支援ロボットなど医工学分野で世界一を競う大会では、韓国の西江大学校チームが3位に入賞し、注目が集まった。

 ロボット関連の論文数で、韓国は世界5位になっているようだが、ロボット産業のレベルはそれほど高くなく、裾野が狭いのが今後の課題である。
 今年2月に韓国で開催された平昌冬季オリンピックにロボットが11種類85台投入され、一般人の目を引いた。そのなかで、案内ロボットは、韓国語、英語、中国語、日本語など8カ国に対応し、外国人の道案内をしてくれた。このように今後はサービスロボットの普及が予想される。

 米国ボストンの旧州庁舎から大通り沿いに80mくらい歩くと、異色のレストランがある。従業員の代わりにロボットがサービスをしてくれるロボットレストラン「スパイス(spyce)」だ。このレストランでは人の代わりに、7台のロボットシェフが料理をつくってくれる。スパイスでは料理を注文してから料理が出るまでの時間はたったの3分。
 またペイパルの共同創業者であるピーター・ティールは米サンフランシスコにあるロボットカフェ「カフェX」にほかのベンチャーキャピタルとともに500万ドル投資したという。
 韓国でも開業して5カ月しか経っていないロボットコーヒーフランチャイズに120億ウォンの資金が集まった。このようにサービス業、そのなかでも飲食業などにロボットが浸透しつつある。料理はスキルだけでなく、人間の感性が要求される分野だけに、このような分野へのロボットの浸透に人々は困惑している。

(つづく)

 
(後)

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