平成30年7月の豪雨による死者は130人を超え、平成に入って最多の犠牲者を出した豪雨災害となった。河川の氾濫による浸水、土砂崩れなどによって各地の鉄道や道路は寸断され、人や物の往来にも大きな障害が出ている。
「とにかく、今は本州に出荷できないのが大きい」と弱り顔なのは、産直野菜の通販を行うA氏。「関門トンネルは通行できるようになりましたが、九州道の門司~小倉東間が通行止めになってしまっている。北九州都市高速もしばらく通行止めでしたし……」と、混乱する物流の影響をダイレクトに受けている様子。
一般消費者として気になるのが、日々の生活に欠かせない野菜などの生鮮食料品がどうなるか。やはり物流経路がなくなると、値段は跳ね上がるのだろうか?
しかしA氏は、「短期的には上がるかもしれませんが、しばらくすると普段より安くなる野菜もあるかも」という。なぜなら、通常であれば九州から本州に向けて出荷されていた野菜類が、九州内でだぶつく可能性があるため。ほうれん草、水菜、小松菜など、傷みやすい葉物野菜(いわゆる軟弱野菜)にその傾向があるのではないかとのこと。
今後、長期的に水害の影響が出る可能性が高いのが、米。時期的に多くの水田は田植えが終わっている。稲は数日間水をかぶるだけなら問題ない。しかし、大雨で貯水池に被害が出て給水できなくなってしまうと、秋の収穫が減る可能性があるとのこと。
今回の大雨で、西日本の鉄道物流の中心であるJR山陽本線、自動車物流の大動脈である山陽自動車道など中国地方の交通インフラは大きな打撃を受けた。被災者の生活復興はもちろん、多くの人々にかかわる商業物流についても、一刻も早い復旧を望みたい。
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