ワールドカップとサッカーボール(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
6月14日からロシアで開催されていたサッカーのワールドカップは、フランスの優勝で幕を閉じた。今回のワールドカップロシア大会で、アジア勢で16強に進出できたのは日本だけだった。日本は短いパスを繋げるサッカーでファンを魅了し、決勝トーナメントのベルギー戦では、2点を先制しながら、逆転負けを喫するという、非常に惜しい結果となった。
韓国は16強進出を果たせなかったが、予選リーグ最終戦で優勝候補のドイツを2-0で下し、「最善を尽くせば道は拓かれる」という教訓を得た。アジアのサッカーレベルが世界水準に一歩近づいたことは間違いないが、まだその壁が厚いことを実感させられる大会でもあった。
ワールドカップは予選と本大会とで構成されており、本大会は4年ごとに開催される。2018年のワールドカップロシア大会は第21回目の大会で、第1回のワールドカップが開催されたのは、1930年のウルグアイ大会だった。
ワールドカップの全世界のテレビ視聴者数と経済効果はオリンピックを凌いでおり、ワールドカップは名実ともに世界最大のスポーツの祭典だ。グローバル化が進んでいる現在、スポーツ界にも例外なくグローバル化が進んでいる。そのなかでも、ワールドカップほど全世界の人が熱狂し、多くの人が応援するスポーツはない。
今回は選手またはチームよりも、サッカーボールに焦点を当ててワールドカップの歴史を振り返ってみたい。サッカーボールは全世界で毎年約4,000万個が販売されている。今年のようなワールドカップ開催年になると、サッカーボール販売は少し伸びる傾向があるという。
最も原始的なサッカーボールは、布または藁の塊を使ったもの。 その次に牛や豚の膀胱などを膨らませたものをボールとして使っていたという記録がある。その後、牛や豚の膀胱を膨らませたボール状のものを牛の皮で覆うようになり、それが段々、現在のサッカーボールの姿へと進化していった。
ゴムチューブが発明され、サッカーボールに膀胱の代わりにゴムチューブが使われるようになる。ゴムチューブも進化していき、今ではチューブにラテックスと呼ばれる薄いゴムが使われている。
サッカーボールは、大きくわけて、ボールの表面を覆う皮パネル(最近のサッカーボールは主に人工皮革)、皮パネルの裏側につける不織布、チューブであるラテックス、その他で構成されている。 サッカーボールのキーパーツは、ラテックスのチューブとボールの表面を覆う皮パネルである。チューブと皮パネルが如何に耐久力、弾力などに優れているかがサッカーボールの品質を決めるポイントになる。
(つづく)
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