2024年05月07日( 火 )

東京オリンピックの成功を左右する『医療通訳』による『おもてなし』(前編)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2018年7月27日付の記事を紹介する。


 東京オリンピック・パラリンピックまで、あと2年。新国立競技場の建設も急ピッチで進む。マスコットの名前も「ミライトワ」と「ソメイティ」に決まった。開会式はじめ各種競技のチケットの値段も決まり、来春にはインターネットでの販売が始まる。夏場のオリンピックということで、今夏の異常な暑さを経験すると、暑さ対策が気になるところではある。

 しかし、東京都もオリンピック大会組織委員会でも、温度を下げるために「熱を吸収する日本発のセラミック基盤」の実用化に向けて、実験を繰り返している。マラソンコースとなる銀座のメインストリートでは昨年から試験的な導入が行われており、その効果が期待されているところだ。1964年の東京オリンピックでは新幹線や高速道路がお目見えしたが、2020年には地球環境対策の切り札となる新技術がデビューすることになりそうだ。

 いずれにせよ、この暑さにもかかわらず、わが国を訪れる観光客の数は急増傾向にある。2020年には4,000万人の外国人観光客を呼び込もうと、政府は「ビジット・ジャパン計画」など、積極的な誘致合戦を展開中だ。フランスは年間6,000万人を超える観光客を惹きつけているわけで、その3分の2を目指すのは、決して難しい目標ではないだろう。既に2,000万人を軽く突破しており、観光立国を目指す日本とすれば「カジノ」などなくとも、十分、海外の観光客を惹きつける魅力は備わっていることに自信を持つべきである。

 今や日本も世界も国境の垣根を越えて、人や物や情報が飛び交う時代になった。まさに「グローバル化時代花盛り」といえよう。時にはやっかいな病原菌が入り込む場合もある。しかし、日本にとってはいまさら鎖国時代に逆戻りできるわけはなく、外国人がもたらす経済、文化的刺激を受け入れる方がはるかに意味のある選択肢といえよう。とはいえ、これだけ多くの外国人が日本を訪れるのであるから、彼らが安心して日本滞在を満喫できるような「おもてなし」を提供する必要があることは論を待たない。

 この点、日本は世界を納得させる歴史や文化に根差した自然な「おもてなし」の極意には事欠かないはずだ。オリンピックに限らず、わが国を訪れる多くの外国人が日本式おもてなしに感動し、リピーターとなっている。海外のテレビやネットでは、そうした日本人があらゆる生活の局面で見せる気配りを盛んに取り上げているほどだ。まさに「クール・ジャパン」は海外の日本ファンの合言葉になっていると言っても過言ではない。

 実は、日本を訪問する外国人に加え、わが国には現在200万人を超える外国人居住者がいる。また、「技能実習生」の数も20万人近い。わが国の進んだ技術や技能を学び、母国に帰った後、日本で身に付けた技術を自国の経済発展のために役立てようとしている人達のことである。これまでは実習期間が3年を上限とされていたが、受け入れ企業や実習生からの強い要望もあり、今では5年間へ延長することが可能となった。

※続きは7月27日のメルマガ版「東京オリンピックの成功を左右する“医療通訳”による“おもてなし”(前編)」で。


著者:浜田和幸
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