2024年05月04日( 土 )

新鋭の地場総合建設業がさらなる地域貢献のために進化するには(前)

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(株)スエナガ

 2015年1月に新たな地場総合建設業として設立された(株)スエナガ。群雄割拠の福岡市内の建設業界のなかで、独自性が強い事業を地道に展開している。その事業の取り組みに対して「誠実で丁寧に、そして心を込めた仕事をつくり上げている。そして何よりも謙虚に、どうすれば顧客の満足度をあげられるかに挑戦し続けている」と同社の顧客や取引先は口をそろえる。同社の現況と、さらなる地域貢献のための地場の総合建設業としての取り組みをレポートする。

20年の縁

▲(株)スエナガ 出口 洋一 代表取締役

 “常に挑戦し続ける”。新鋭の地場総合建設業という風土が、(株)スエナガの本社オフィスに入った瞬間にわかった。社員一同が明るく元気なあいさつで迎えてくれたのだ。

 同社の代表取締役の出口洋一氏は、34年間、地場建設業の(株)末永工務店に勤務。一貫して技術畑を歩み、最終的に常務取締役の重責を担い2014年12月に退職した。出口代表には、もっと地域に貢献したいという強いおもいがあったという。

 そんなある日のこと、出口代表より先に末永工務店を退職していた安辺哲徳氏(現在、スエナガの営業部長)から連絡があった。当時、すでに事業を立ち上げていた安辺氏から「一緒にやりませんか」という誘いの声がかかったのだ。

 出口代表は長きにわたって地元の建設業界で活躍してきたが、営業に関しては門外漢だった。一方の安辺氏は、営業のエキスパートだ。2人が組むことで、お互いの持ち味を最大限発揮できると考えた。出口代表は、すぐオファーに応じたという。さらに出口代表は、末永工務店の取締役会長だった末永和之氏に「末永会長の誠実に、そして謙虚に事業に取り組む理念や想いを継いでいきたい。ぜひとも、我々と事業に参加していただけませんか」と依頼、その結果、末永会長が新会社の会長に就任した。

 15年1月に(株)スエナガが設立された。社名は末永会長の理念とおもいを継ぐため “スエナガ”の商号を使った。当初から同社には、「末永工務店の関係会社ですか」という類の質問がきていた。しかし、末永工務店とスエナガには資本関係などは一切ない。あくまでも末永会長の理念やおもいを継ぐために、『スエナガ』の商号を掲げているのだ。

 「私を間にして、末永会長、安辺部長は、それぞれ年齢差が20歳あります。このような例は、珍しく、深い縁があることを確信しています」(出口代表)。同社のロゴマークには、S・D・Aと、末永会長、出口代表、安辺部長の頭文字のイニシャルがあしらわれている。

(つづく)
【河原 清明】

<COMPANY INFORMATION>
代表:出口 洋一
所在地:福岡市城南区堤1-30-1
資本金:3,700万円
完工高:9億6,623万円(17/2)
TEL:092-874-4545

(後)

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