二場元ガバナーの権勢の栄枯盛衰物語(16)~松井元ガバナーの警鐘

世界的な奉仕団体である『ライオンズクラブ』。その慈善運動は社会的に広く認知されている。ところがライオンズクラブの複数の会員から「福岡地区=337-A地区には問題がある」との情報が入ってきた。本来国際奉仕団体としての活動は名誉栄達ではなく、純粋な社会貢献にある。

ライオンズ国際協会337-A地区元ガバナー
二場安之氏

ガバナーからの圧力

 「337-A地区」2リジョンにおける内紛は、重鎮が現役のときは表面化しなかった。ガバナーも務めた重鎮は「玄海に元気がいいのが入ってきた」と二場氏を評価していた。

 2リジョンに在籍した会員に話をきくと、「勉強熱心」などの評価がある一方で、運営方針に対する批判の声もきかれた。10年以上前の話ではあるが、当事者にとっては苦い記憶であり、今も忘れはしないだろう。

 「私は2回リジョン・チェアパーソンをローテーションから飛ばされました」と語るのは、Cである。「2回目は海外にいるとき電話があり、『リジョン・チェアパーソンを降りてほしい』『帰国後、日本で話そう』という要請を受けた」と振り返る。

 電話をかけてきたのは2リジョンのメンバーではなく、5リジョンの会員からであった。5リジョンは久留米市など県南地域である。しかも電話の相手は一会員ではなく、当時のガバナーであった。そもそもガバナーであっても、ほかのリジョン(エリア)のメンバーから、2リジョンの運営に口を挟まれること自体おかしなことである。

 その後、しばらくCはライオンズ活動に積極的には関与しなかった。二場氏をどう評価するかとの問いに、「人を巻き込む力はあるが、面の皮が厚い」と苦々しく述べた。これはAをはじめとするほかの6リジョンチャーターメンバーからも異口同音に聞かれた言葉である。

 もちろん、人の印象や捉え方は関係性によって違ってくるものだ。しかし、国際的な社会奉仕団体としての「民主的な組織運営」という観点から、それが妥当であるかどうかが問われるのではないだろうか。

 これまで2リジョン内のゾーン編成をめぐる問題などを紹介してきたが、その後、取材していくなかで二場氏がガバナーのとき、「会員数が500人以下のリジョンからはガバナーは選出しない」との規約をつくろうとしたが、反対意見が出たことも分かった。

 同じ会費を納入しながら、ガバナーを出す権利を失うのは著しく不公平である。6リジョンの関係者は「我々を念頭に置いたものです」と語ったが、2リジョンから6リジョンが分離独立したのは、二場氏がガバナーに就任するのと時期を同じくする。そこには意趣返しの意図もあったのだろう。

 アクロス福岡で「337-A地区」年次大会が行われた際、二場氏がCに資料を投げて渡したことがあった。誰でも資料を投げて渡されれば憤慨するのは当然である。奉仕とは一言でいえば「真心」ではないだろうか。そこには社会的地位も権力も関係ないはずである。

元ガバナーが語ったライオニズムの精神

挨拶を行う松井和子元ガバナー
挨拶を行う松井和子元ガバナー

    このときのガバナーは、松井和子氏で、「337-A地区」初の女性ガバナーであった。2012年度のことである。

 当社で松井氏がガバナーのときに取材を行ったことがある。ライオンズクラブの在り方について警鐘を込めた思いを述べていただいた。11年に取材したものだが、今読み返しても、あらゆる活動に共通するあるべき姿勢だと感じた。以下、引用したい。

 ライオンズクラブ(以下、LC)内では近年、会員増強の必要性が強く叫ばれています。しかし、入ってくれれば誰でもいいというわけではありません。

 やはり一番の方針である「奉仕の心」をしっかり持った人に、そして今後のライオンズを支える意欲ある若い人たちにも、より多く入ってもらう必要があるでしょう。それにはこれまでの古い体質から抜け出し、若い人たちにとっても参加しがいのある、魅力のあるところにしていく必要があると強く思っています。

 そのためにもLCの皆さんで、もう一度、「ライオンズとは何か」について整理してもらいたいのです。何のために入ったのか。商売の宣伝や飲み会のためではありません。楽しい交流も大事ですが、やはり基本理念である“We Serve”(私たちは奉仕する)の精神を忘れてはいけません。

 そして私たちは、国際ライオンズクラブの一員です。世界のなかの1つの組織として、世界が目指すところに協力しながら、地域でもできることをするのが基本的スタンスのはずです。自分の周辺だけで好き勝手なことだけやって自己満足しているわけにはいきません。地域から求められることに応えながら、若い世代を育てるという目標を、今一度、皆さんと一緒に再確認したいと思います。誇りあるライオンズであるために。

 今一度、松井元ガバナーの言葉をライオンズクラブの全会員は噛みしめるべきではないだろうか。

(つづく)

【近藤将勝】

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