元弁護士・清田知孝被告裁判、控訴審判決は第一審を破棄して懲役3年、執行猶予5年

 4日、福岡県弁護士会に所属していた元弁護士・清田知孝被告の横領事件の控訴審判決が福岡高等裁判所で言い渡された。判決で福岡高裁は第一審判決を破棄して、被告人に対して懲役3年、執行猶予5年を言い渡した。

 判決理由について、岡部豪裁判長は次のように述べた。

 第一審判決が、被告人の犯行について、常習性があり、弁護士としての社会的信用を悪用した卑劣な犯行と指摘したこと、とくに3つの事件のなかでも、清田被告が刑事弁護人としての依頼を受けた拘置中の依頼人の保釈保証金を横領し、依頼人を約3カ月にわたって不当な拘留状態に置いたことを悪質と判断したことや、それらに基づいて懲役2年6カ月の実刑を言い渡した量刑に誤りはない。
 しかし、第一審判決後の経過において、被告人は慰謝料の支払いなどに努めており、被害者から宥恕文言(※)が得られていないとはいえ、十分に被害金の弁済は尽くしており、原判決の量刑は重すぎる。

※宥恕文言(ゆうじょもんごん):刑事事件の示談書などで、被害者が加害者を許し刑事処罰を望まない旨を明示する文言のこと。

 事件は清田被告が弁護士であった当時、依頼人の預り金等を着服したとして3つの事件について業務上横領の罪に問われたもの。初公判は2024年3月に始まり、第一審で検察側は執行猶予なしの懲役4年を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求めていたが、25年4月の判決で福岡地裁は、被告人に対して懲役2年6カ月の実刑判決を言い渡した。その後、被告側の控訴により同年8月に控訴審が始まったものの、先延ばしや延期が繰り返され、控訴審判決まで異例の2年弱の裁判となった。

【寺村朋輝】

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