2024年05月05日( 日 )

くるり九州ひたすら歩く旅~九州一周、完歩を目指す(6)

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 国道3号線と10号線をひたすら歩く“九州一周完歩”の旅。走行距離は実に833kmにおよぶ。それも週末だけを利用し、現地に赴き九州の大動脈を歩くのだ。
 福岡を出発し、佐賀、熊本に入ったこの旅だが、現地に赴くまでの移動距離がだんだん遠くなってきた。そこで効率を考え2夜連続で歩くことに・・。酷暑といわれる今年の夏。深夜を過ぎても気温はそれほど下がらず、まさに暑さとの闘いでもあった。

7月28日(6日目)
JR八代駅から肥薩おれんじ鉄道湯浦駅まで~33.7km

▲約1.5kmの長さを誇る佐敷トンネル

 今回から効率を考え、宿泊を挟み2日間連続で歩くことにした。会社を定時で切り上げ目的地への移動を開始。九州自動車道八代ICを降り、JR八代駅に到着したのは午後11時過ぎ。さあ、いよいよスタートだ。
 肥薩おれんじ鉄道と並走しながら歩くこと約1時間、日奈久温泉街に差しかかる。この旅が終わったらぜひ行ってみたい場所の1つである。

 今回から2日連続の日程にしたのは薩摩街道時代からの難所の1つ、“三太郎峠”を一気に走破すべしとの考えからである。
 南下していくと、日奈久ICから3号線は自動車専用道路と旧道とに分かれる。どちらも3号線。旧道をひたすら歩くことになる。かすかに聞こえるエンジン音は山のなかを通る無料のバイパスから聞こえてくる。そのうち、海から離れ、だんだん上り坂となっていく二見赤松町に入った。
 道沿いに“赤松太郎峠”と書かれた小さな看板が見えた。三太郎峠のうちの1つに足を踏み入れたようだ。カーブのたびに黄色い街灯が設置してあり、車の往来もほとんどないため比較的歩きやすい。
 長いトンネルに差しかかった。1965年に完成した赤松トンネルだ。赤松トンネルを抜けると、はるか遠くに自動車専用道路の新赤松トンネルを抜けた車のテールランプが見えた。このとき赤松峠を越えたことに気付いた。

 これから山を下りて田浦漁港を右手に見ながら歩くことになる。肥薩おれんじ鉄道と並走することになるのだが、深夜なので、どこに線路があるのかさっぱりわからない。まあ、とにかく南へ進むことにする。

 次に向かうのは“佐敷太郎峠”。長い上り坂を数時間歩かなければならない。この峠にも自動車専用の新トンネルがいくつか開通しているが、一般道の佐敷トンネルは全長約1.5kmと長い。
 明け方のトンネル内の交通量は多い。佐敷トンネルは1965年完成と古いためか歩道が狭い。そのうえ地下水がしみ出し路面が水浸しだ。事故にあわないように、車が通過する際には立ち止まり、車が通過するとまた歩き出すという動作を頻繁に行わなければならない。通過するのが、とても長く感じたものだ。そのうち、今回の目的地である佐敷駅が見えたが、あとひと踏ん張りして隣駅の湯浦駅まで足を延ばすことにした。

 日が昇り気温がかなり上がってきた。もうこれ以上足が上がらない。この後、肥薩おれんじ鉄道に乗り、車を駐車しているJR八代駅まで移動。車に乗り換え新赤松トンネルを抜け、宿に向かわなければならないので、今日の旅はここで終了する。

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