2024年03月19日( 火 )

(株)マルモク 前年に引き続き好調な業績

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 木材と新建材の販売で福岡トップクラスの実績を誇る(株)マルモク。1970年に村田一朗氏が設立し、主に内装工事(造作・家具建具・クロス)を中心にスタート。現在は建築資材の販売も手がけるほか、内装に強いリフォームやリノベーションのワンストップサービスを行う企業へと成長している。

「M’s BOX」施行事例

 現在、同社の経営のかじ取りは、村田一朗氏の子息である村田裕昭専務が行っている。かつては型枠土木の売上高割合が全体の約70%を占めていたが、現在は建築資材(内装材)の売上高割合が増えつつある。取扱商品の変化に伴ってアイテム数も増え、多角化販売によって顧客のさまざまなニーズに応えることが可能となっているが、柔軟な経営判断をして無駄な在庫を抱え込まないようにしている。また、他社との差別化を図るために自社オリジナル商品の開発も行っており、現在は針葉樹でつくられた型枠パネル「桧コート」や、システム収納家具「M’s BOX」の販売に力を入れているとのこと。
 村田裕昭専務は「競合他社が多いなかで生き残るためには、付加価値をつけることで今のお客さまが新しいと思えるサービスを提供することが第一」と話す。

 2018年7月期の売上高は22億8,709万円で、前年比1億7,638万円の増収となった。増収要因としては、(1)ここ数年の受注動向が安定推移していること(2)福岡都市圏において手がける物件数が、賃貸住宅だけでなく福祉施設や学校関係などに広がっていること(3)予定していた工事が期中ですべて完工することができたことが挙げられる。また、受注する前段階で社内検討会を開き、材料関係だけでなく、職人不足のなかで確実に人員の手配が行えるか、工事の受注単価が適正かどうかなどを話し合い、取引先から協力もあって無理なく受注を引き受けられる体制を整えている。なお、30年8月末の受注高は11億5,000万、9月末で約13億円の受注残を抱えており、このままの推移でいけば、19年7月期も同推移になる。
 粗利に関しては、取り扱う商品に輸入資材が多いため為替変動の影響を受けやすく、木材によっては原木が不足していることもあり、見積もり時と工事が始まるまでの間で価格差が生じることがある。さらには物流の配送価格上昇にともなう原材料費高騰、同業他社との価格競争による乱高下がある。こうした動向に注意する必要はあるが、それ以外で業績が落ち込む要素は見当たらない。

 今期はこれまでなかなか機能していなかったという社内の組織づくりにも注力している。人事考課制度の導入、各自の目標設定、管理職向けのセミナーや勉強会の実施など、優れた人材の育成に力を入れている。ほかにも、ベテラン社員と若手社員をペアにすることで、双方に教え学び合う機会を設けたり、定期的にペアをローテーションしたりすることによってさまざまな考え方や、やり方を身につける機会を与え、社員同士がお互いの意見や考えを言いやすい雰囲気をつくろうとしている。

 村田裕昭専務は、「今の若い世代は転職をすることにあまり抵抗がなく、入社しても2、3年で転職するケースが多いが、うちは本業だけでなく従業員の教育や育成にも力を入れ、風通しの良い職場環境で長く定着してもらえるようにしていきたい」と話している。

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