2024年04月27日( 土 )

三原一征氏が役員退任。注目される同社の今後の行方

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(株)不動産総合センター

 福岡市博多区に本社を置く(株)不動産総合センターは、1990年創業、95年設立の地場不動産業者。総合不動産業として不動産売買、賃貸、仲介などを中心に幅広い取り扱いがあり、その実績は高い。

 (株)不動産総合センターは、90年12月に(株)不動産中央情報センター福岡支店として創業したのが始まり。その後、福岡支店を分離独立するかたちで、95年に三原一征氏が設立した。

 事業内容は不動産の売買・賃貸・仲介が中心で、とくに店舗仲介と売買に強みを有する。また、不動産開発事業では、自社企画の賃貸マンション「ヴォーヌンク」「イクシオン」シリーズのほか、戸建分譲住宅「夢住居」を開発している。顧客サービスにおいては、法律、金融、設計など各分野の専門家で構成される「FSCプロジェクトチーム」を結成し、不動産に関する諸問題への専門的アドバイスを行っているのが特徴である。関連会社には、不動産仲介などを手がける(株)コンフィスがある。

過去10年間の業績推移

 【図Ⅰ】は過去10年間の業績推移である。売上高は2007年7月期の28億1,487万円が最も多く、08年から12年にかけて緩やかに減少。最終利益は1,000万円を割り込み、利益率ベースで見ると1%を下回っていた。しかし13年以降の業績推移を見ると、売上高こそ年度による変動は見られるものの、最終利益は2,000万円以上を確保しており、利益率ベースで見ても1%以上で推移している。

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 財務内容に関しては【図Ⅱ】参照。17年7月期時点で長短合わせた借入金3億8,500万円に対して、現預金は3億9,475万円を保有しており、実質無借金経営である。自己資本比率に関しても39.85%と、分厚い財務基盤を維持している。

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 18年7月期の決算内容については現時点では公表されていないが、13年以降の同社の業績推移を見てみると、堅調な経営方針に転換し、収益性を高め、財務基盤を厚くしていることがうかがえる。

直近の役員構成に変化あり~三原一征氏が代表取締役を退任

 同社は創業以来、三原氏が経営のかじ取りを行ってきた。しかし直近の役員構成をみると、その顔ぶれに変化がみられた。

 【図Ⅲ】は同社の商業登記簿謄本である。三原氏は9月28日をもって取締役と代表取締役を退任し、代わりに寺園公教氏が代表取締役に就任している。宮本滿子氏も三原氏と同時期に取締役を退任し、代わりに木場博明氏が就任した。一方、窪田政晴氏、松本実男氏は取締役として引き続き名を連ねている。関連会社であるコンフィスの商業登記簿謄本【図Ⅳ】についても、同日付で代表取締役・宮本氏と取締役・三原氏が退任し、代わって寺園氏が取締役と代表取締役として役員登記されていることが確認された。

【図Ⅲ】商業登記簿謄本

 

【図Ⅳ】商業登記簿謄本

 

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 三原氏はデータ・マックス社の取材に対し、引き続き会長として同社に在籍するとの意思を表明している。しかし、今回代表取締役を退任した理由や今後の経営方針などについては、現段階で詳しく話を聞くことはできなかった。

 地場有数の不動産業者として抜群の実績を誇り、経営状況も堅調に推移している同社。今回の役員変更は一体何を意味しているのであろうか。そして新代表に就任した寺園氏によって、同社の経営はどのように行われていくのであろうか。引き続きその動向に注目していく。

【長谷川 大輔】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:寺園 公教
所在地:福岡市博多区博多駅前3-12-14
設 立:1995年5月
資本金:4,000万円
売上高:(17/7)13億6,408万円

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