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2019年01月17日 14:45

ドラッグストア業界が挑む「食と健康」市場創造戦略~製配販連携で10兆円産業目指す(前)

 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、設立20周年記念事業の核事業として、「食と健康」による市場を創造し、10兆円産業を目指すことにした。目的を達成するために、「食と健康」市場創造プロジェクトを立ち上げ、第1回製配販合同会議を2018年10月下旬に開いた。同プロジェクトでは、昨年に続き19年、2~3月に東京・神奈川・千葉など4店舗で実証実験を実施する。棚割り・陳列・販促・登録販売者・栄養士などによる情報提供のあり方、人材活用法など、実施計画を決め、来年3月の「JAPANドラッグストアショー」で中間報告し、6月以降にJACDS加盟企業の店舗で「食と健康」の普及を図る考えだ。本稿では、DgS業界が製配販の総力を挙げ、市場創造を目指す「食と健康」に焦点を当て、最新動向を紹介する。

成長路線を持続するためプロジェクトを立ち上げる

 DgS業界は、ここ数年、踊り場ともいうべき状態が続いていたが、JACDSが行った2017年度「全国ドラッグストア実態調査」によると、全国総店舗数は1万9,534店舗、総売上は、6兆8,504億円と、再成長の兆しがみえてきた。ただ、成長要因は、(1)処方箋調剤、(2)インバウンド需要、(3)食品の取り込みの3点で盤石とはいえない。加えて、薬価の切り下げ、モノから人へのインバウンド需要の変化、価格訴求と利便性のみに頼る食品部門など不安要素があり、長期安定成長は望めない。

 そこで、将来に向けて、成長路線を持続するため、JACDS主導で新たな市場創造に取り組むのが、「食と健康」市場プロジェクトだ。同プロジェクトは、JACDS設立20周年記念事業として位置付けられており、「食と健康」の新カテゴリーをつくり、市場創造を行おうというもの。同プロジェクトの最も重要なポイントは、リアル店舗からの「適切な情報提供」で、需要を顕在化させることにある。

 同プロジェクトは、JACDSが17年に発表した「街の健康ハブステーション」構想に基づくもので、「25年に売上高10兆円」を目標に向け、DgSの社会的機能・役割として「地域の健康プラットフォーム」「生活者からの相談窓口」になるべく、大きく戦略転換することにした。

これからは、地域連携がキーワードになる

 10月25日、JACDS東京事務所で開かれた「食と健康」市場創造プロジェクト第1回製配販合同会議には、プロジェクトを成功に導くために、薬業界の製配販関係者に加え、プロジェクトへの協力・支援を表明している消費者庁・厚労省・経産省・日本栄養士会などの行政・団体の担当者などがオブザーバーとして出席、総勢50名が顔をそろえる盛大な船出となった。

 オブザーバーとして参加した厚生労働省医薬・生活衛生局総務課の安川孝志薬事企画官は、「食と健康」市場創造プロジェクトへ期待を込め、次のようにエールを送った。

 「当課は、薬事行政を担当しているが、必ずしも薬というわけではなく、食・栄養をしっかり摂るということが大事なことだと考えている。予防が大事だとも思っている。厚労省生活習慣病対策では、「1に運動 2に食事 しっかり禁煙 最後にクスリ」とあるように、病気にならない生活習慣、栄養をしっかり摂る食生活が重要だと考えている。国民の間では健康が今、ブームになっており、健康への関心がますます高まっている。

 しかし、その一方で、健康に関する情報が錯綜している。消費者が正しい商品を選択できるかどうか、という点で、専門的な見地からいうと、薬剤師、登録販売者、管理栄養士などが連携して、相談に応じて正しい情報を消費者に伝えていくことが、DgSの大事な役割だと思う。地域のなかでDgSが活動するときに、薬剤師、登録販売者、管理栄養士などがはたす役割は、ますます重要になる」―。

 さらに安川薬事企画官は、地域連携が非常に重要になり、キーワードになると指摘。「大切なのはそのなかで、しっかりデータ、エビデンスを示していくこと。実績とともに、どういう役割をはたしたかということを、データで示すことも大事だ」と強調した。

(つづく)

【取材・文・構成:大川 善廣】

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