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2019年02月13日 07:01

更年期を正しく理解し、健康増進の重要性を理解してもらうことが大切(4)

NPO法人更年期と加齢のヘルスケア 理事長 小山 嵩夫 氏

 ―学会独自の評価方法をつくるということですが、「ヒト試験」を実施していくということでしょうか。
 小山 まずは摂取前後を比較する簡単な摂取試験を行うことを考えています。数年前に、メノポーズカウンセラーが自らサプリメントを摂取してみて、その体感から製品の善し悪しを評価するという試験を行いました。最初の摂取試験では、市販歴が長く誰もが知っているローヤルゼリーとゴマ抽出エキスを対象としました。

 トライするモニターは20名で、2カ月間摂取してもらいました。プラセボを設定しませんでしたので当然、有意差は出ませんが、データよりも学会として何らかのかたちで評価していこうという流れをつくることが重要だと考えたのです。モニターになった人のなかで普段、持病があるなどの理由で薬を服用している人は、そのまま服用し続けてもらいました。

 評価は、更年期スコア(簡略更年期指数:SMI)に沿って行いました。学会内からは、「有意差を出すような試験をやらなければ意味がない」といった意見もありましたが、それは将来の課題として、まずは摂取試験を行うことから始めたいと考えたのです。モニターには、更年期スコアの評価とは別に、摂取してみて感じたことを、感想文として600字以内にまとめてもらい、それを学会誌に掲載しました。まずは評価していくという事実を積み上げていくことが大事なのです。

 学会としてサプリメントを研究して、サプリメントの評価指針を国へ提言していけるようにしたいですね。そうすれば「いい加減」というイメージを、少しでも払拭できるでしょう。

 ―サプリメントアドバイザーを養成されています。
 小山 こちらは日本サプリメント学会の認定事業として、6年前から行っています。ある調査によれば、治療を行う患者の3割はサプリメントを利用しているとのデータがありますので、医師や看護師らを対象に、医療現場などで適切な摂取方法を指導できる専門家を養成することが目的です。食事面から健康をサポートするとともに、体質を考慮しながら免疫力を高めるサプリメント種類や飲み方などをアドバイスできる専門家がいれば、患者さんは安心して相談できることでしょう。認定者は、年に5回開催する研修会への参加状況と、年1回実施する筆記試験の合否で決定しており、現在100名を超える医療従事者が認定されています。

サプリメントアドバイザーが参加する
ラウンドテーブルディスカッション

 研修会の成果を発表する場の1つに、学術集会で行うラウンドテーブルディスカッション(写真)があります。これは各テーマに沿って自由に意見を交わすもので、テーブルを囲む参加者は自由に発言できるのです。臨床現場での疑問や課題、解決策などをもち寄り、参加者全員で1つのテーマについて議論するので、さまざまな角度から課題が浮き彫りになるという特徴があります。毎回テーマも多彩で、サプリメントの適切な飲み方や医薬品との飲み合わせなど、一般の人も参加したくなるような話題が盛りだくさんです。ディスカッションと言っても1つのテーブルを囲むのは10人程、少ない場合は5~6人程度ですので、討論会というよりは懇談会という雰囲気です。学会の討論会といえば固いイメージがありますが、ラウンドテーブルディスカッションは、どちらかといえば「井戸端会議に花を咲かす」というイメージです。

 医療従事者にとってサプリメントは、これまであまり関わってこなかった領域ですが、健康を保ちながら、いつまでも元気で長生きしたいという基本的な要求には欠かせない手段だと考えています。超高齢社会にあって、更年期女性が充実した生活を送るためには社会との関わりが大切ですが、食生活を補完するサプリメントは、長期的な体力維持に対する大いなる貢献が期待されているのではないでしょうか。そのためにも学会では、情報提供を含めてサプリメントアドバイザーが勉強していけるような環境を整えていきたいと考えております。

(了)
【吉村 敏】

▼関連リンク
●NPO法人更年期と加齢のヘルスケア
●(一社)日本サプリメント学会

 

<COMPANY INFORMATION>
理事長:小山 嵩夫
所在地:東京都大田区南千束3-14-16
設 立:2002年4月
TEL:03-3748-2562

<プロフィール>
小山 嵩夫(こやま・たかお)

1944年生まれ。68年、東京医科歯科大学医学部卒業(医学博士)。同大学医学部産婦人科助教授を経て、96年に女性の健康を総合的に管理することを目的として東京・銀座に小山嵩夫クリニックを開設、院長として現在に至る。専門は生殖内分泌学(更年期医学)。ホルモン補充療法の第一人者として知られる。更年期前後から元気に生きるための啓発活動を行っており、NPO法人更年期と加齢のヘルスケア理事長として、メノポーズカウンセラーの育成に従事している。著書として「女と男の更年期」(誠文堂新光社 2008)、「女性ホルモンでしなやか美人」(保健同人社 2009)など。学術専門誌「更年期と加齢のヘルスケア」編集長。

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