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2019年02月17日 07:03

空間に新たな価値を付加する家具づくり 時代変化に適応し、新体制の構築へ(前)

(株)アダル 代表取締役社長 武野 龍 氏

主に業務用家具・店舗用家具の製造・販売を行い、創業から65年以上の業歴を重ねてきた地場を代表する老舗の家具製造会社の(株)アダル。同社が手がける“はたらく家具”は、安全性・耐久性・機能性・デザイン性のすべてを兼ね備えており、空間に新たな価値を生み出していくことに定評がある。顧客のニーズに応じた高品質の家具づくりを通じ、高い信頼を獲得し続けてきた同社代表取締役社長の武野龍氏に、今後の展望などについて聞いた。(聞き手:弊社代表・児玉 直)

好業績を後押しするホテル&オフィス需要

本社内にある福岡ショールーム

 ―今、ホテル業界の動向が活発ですが、御社への影響はいかがですか。
 武野龍社長(以下、武野) たしかに今、ホテルはすごいですね。弊社が受注するホテル関連の仕事も、実感として、仕事量からいえば5年前に比べて倍以上になっている感覚です。弊社の生産能力も、新しい機械を導入するなど以前に比べると随分と上がってはいますが、やはり先方の要望が「予算年度内に」といったものも多く、どうしても集中してしまいますので、なかなか追い付きません。あまりに多いため、営業サイドでも受注調整をかけているような状況です。

 ―現在のホテル業界の開発ラッシュなどは、いつまで続くと見られていますか。
 武野 2020年度以降については、まだ情報がなかなか入ってこないので何ともいえませんが、少なくとも19年いっぱい続くのは間違いないでしょう。とくに、インバウンドの恩恵を受けている都市部で、北からいえば、北海道、東京、大阪、福岡、沖縄といったところではないでしょうか。

 ―御社の18年3月期の売上のうち、ホテルが占める割合はどのくらいでしょうか。
 武野 おおよそ14~15%くらいですね。おかげさまで、弊社の業績も近年は増収基調を続けていますが、それを後押ししているのが、ホテルやオフィスでの需要増加です。一方で、飲食店舗などが若干落ちている印象はあるのですが、それも地域差があるため、一概にはいえません。たとえば、東京では飲食チェーン系の店舗の動きが鈍っている印象ですが、福岡や大阪では現状維持といいますか、それほど落ち込んでいません。ほかに、弊社が営業拠点を置いているところでは、広島はインバウンドの恩恵を受けて好調のようですね。

 ―ほかに、御社の代表的な納入先でいいますと、医療・介護施設や物販・商業施設、レジャー施設などはいかがですか。
 武野 医療・介護施設については、売上に占める割合に関してはそれほどではありませんが、現状維持もしくは若干上がっている傾向です。レジャー施設は、カラオケや温浴施設、そのほか諸々がありますが、それほど目立つ動きはありません。一方、物販・商業施設などは若干厳しい傾向にあり、とくにアパレル関係が不調のようです。ただ、物販のなかでは化粧品関係が唯一好調のようです。

 ―昔からの得意先であった内装工事業者については、全体に占める割合は減ってきているのでしょうか。
 武野 いえ、弊社の主力の得意先は、依然として内装工事業者さんであることに変わりありません。その内装工事業者さんも、最近はホテル関係の仕事が出始めているようですし、景気は良くなっているようですね。

 ―御社の商品カタログは、どのくらいの頻度で更新されているのですか。
 武野 カタログの更新は、基本的には2年に1度です。ただし弊社では、汎用かつ幅広い商業空間のインテリアニーズに対応した「業務用家具カタログ」と、空間に力強く訴求するハイデザインな家具コレクションの「A.T.I.C」の2種類のカタログを作成しており、それぞれ交互に更新をしていますので、毎年、どちらかは更新していることになります。

 やはり、ネット全盛の時代にはなりますが、カタログなどの紙の情報はいまだに必要とされています。ただし、昔に比べると紙の需要は減ってきました。やはり、今情報を得るうえでのファーストコンタクトは、ネットです。弊社のホームページも、そこまでリニューアルしていないにも関わらず、アクセスは常にあるようです。また、以前は「カタログください」や「会社案内ください」といった問い合わせが多かったのですが、今は「○○という商品の在庫ありますか」や「今週中の納品は可能でしょうか」など、特定の商品にピンポイントで狙いを定めてのアプローチが増えた印象です。業界として、まだまだネットを介した販売の仕組みについては整い切れていないところもありますが、こと情報発信に関しては、ネットはすでになくてはならないものになっています。

(つづく)
【文・構成:坂田 憲治】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:武野 龍
所在地:福岡市博多区金の隈3-13-2
設 立:1968年4月
資本金:1億8,225万円
売上高:(18/3)69億1,264万円

<プロフィール>
武野 龍(たけの・りゅう)

1978年11月生まれ、福岡市博多区出身。甲子園大学卒業後に、住宅メーカーで3年間勤務した後、2003年に(株)アダルに入社。専務取締役・関東ブロック長などを経て、14年4月に代表取締役社長に就任した。

 

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