2024年03月19日( 火 )

「東アジア友愛フォーラム」(日中韓国際シンポジウム)が4月9日に開催!

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4月1日に新元号が発表される。それに呼応するかのように日中を中心とする東アジアの動きが活発化してきた。4月には北京で第2回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムが開催され、鳩山友紀夫元内閣総理大臣(AIIB国際顧問・東アジア共同体研究所理事長)、二階俊博自民党幹事長の出席が予定されている。6月にはG20 が大阪で開催、安倍晋三首相と習近平主席の首脳会談が調整中である。11月には、昨年国別出展社数で日本が最大(約380社)となった第2回「中国国際輸入博覧会」(昨年度出展社3617社、来場者80万人)が上海で開催される。この情況下で、第2回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの日本にとって前哨戦ともいうべき「東アジア友愛フォーラム」(日中韓国際シンポジウム)の開催が4月9日に決まった。
名誉実行委員長の鳩山友紀夫東アジア共同体研究所理事長と実行委員長の中川十郎名古屋市立大学22世紀研究所特任教授に聞いた。

 

東アジア共同体研究所理事長 鳩山 友紀夫 氏
名古屋市立大学22世紀研究所特任教授 中川 十郎 氏

友愛とは革命の旗印ともなった戦闘的な理念です            

 ――開催が迫ってきました。開催の趣旨ならびに開催に至った経緯を教えていただけますか。

左:中川十郎氏 右:鳩山友紀夫氏(鳩山会館にて)

 鳩山友紀夫氏(以下、鳩山) 総理を辞めた後、政治信条である「友愛」の精神で東アジアを平和に導くことを考え、願い「東アジア共同体研究所」を設立しました。その中心は日本、中国、韓国です。現状は、必ずしも100点満点でない中国、韓国との信頼関係醸成のために国際シンポジウムの必要性を感じていました。昨年3月に北京を訪れ、胡必亮北京師範大学一帯一路学院執行長と意気投合、11月には陝西省を訪れ、刘国中省長との間で「一帯一路陝西・友愛研究所」の発足・調印式を行いました。日中間の信頼が高まったところに、韓国もご参加いただき開催の運びになりました。

 「友愛」とは「EU」の父と讃えられるクーデンホフ・カレルギーの言葉で、フランス革命のスローガン「自由・平等・博愛」の博愛のことを指します。革命の旗印ともなった戦闘的な理念です。カレルギーは「友愛が伴わなければ、自由は無政府状態の混乱を招き、平等は暴政を招く」と言っています。すなわち、自由は「弱肉強食」の放埓に陥りやすく、平等は「出る杭は打たれる」式の悪平等に堕落しかねないことを戒めています。

 私の祖父一郎は「相互尊重、相互理解、相互扶助」と表現し、私は「自立と共生」と表現、理解しています。現時点では、グローバル化する現代資本主義の行き過ぎを正し、伝統のなかで培われてきた国民経済との調整を目指す理念です。市場至上主義から国民の生活や安全を守る政策に転換し、共生の経済社会を建設することを目指します。

平和構築を目指す東アジア共同体の理念とも一致

 ――「友愛」の理念を欠く為政者は国民にとって困った存在になるというわけですね。ところで、「一帯一路」と「東アジア共同体」の関係に関して教えていただけますか。

 鳩山 私は中国の習近平主席が2013年に「一帯一路」を提唱された時、すぐに東アジア共同体の理念に近い部分があると感じました。第1回「一帯一路」国際協力サミットフォーラム(2017年5月14日‐15日)の演説で、習主席は「1番の目的は平和構築で、2番目が経済の繁栄」と言われています。経済の発展は大事だけれども、それが目的でなく、発展途上国にインフラで協力することによって、その国・地域を安定させ、周辺国・地域との摩擦をなくし、運命共同体の構築を目指すというわけです。私は、それが本当の目的であるならば、平和構築を目指す東アジア共同体の理念とも一致して、大変に正しい姿勢と考えております。

明日のビジネスに、直接的に役立つ話が聞けます

 ――実行委員長にお聞きします。今回の国際シンポジウムの内容について教えてください。学術的色彩が濃いように見えますが、ビジネス的な面はどのようになっていますか。

 中川十郎氏(以下、中川) 東アジア共同体の柱は日本、中国、韓国で、3カ国のGDP総計は米国のGDPに匹敵します。今までは日中が多かったのですが、今回は3カ国が揃ったことを嬉しく思っています。常々地理的にも近い3カ国のFTA(自由貿易協定)がないことをとても残念に思っていました。3カ国が「友愛」という理念で結ばれることによって、今後は経済問題をはじめ、さまざまな分野で絆を深めていくことを期待しています。

 講演者、パネラーの顔ぶれをご覧になると、確かに学術色が強いように感じられるかもしれません。しかし、学者や専門家の先生方も、理論に走るのではなく、ビジネスの要素も多々含まれるお話をされることになっています。また、講演者、パネラーには、若い方、女性の方にも入っていただくことにしました。ご参加いただいた聴衆の方々の明日のビジネスに直接的に役立つお話も聞けると思います。

友愛の理念で、アジア13カ国の運命共同体を構築

 ――最後に、今後の展望ついてお話をお聞かせください。

 鳩山 東アジア共同体としては、日本、中国、韓国を中心としながらも、アセアン10カ国(ベトナム、インドネシアなど)との絆を深め、最終的には、「友愛」という理念を通して、13カ国の運命共同体の構築ができればと考えております。

 中川 将来は開催地も東京だけでなく沖縄、福岡など、海外では北京、西安やアセアン諸国などさまざまな国・地域で行い、鳩山友紀夫元総理の運命共同体としての「友愛」の理念を深めていけたらと考えております。

 【金木 亮憲】

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