福岡市が旅館業法を緩和 注目される「合法民泊」とは(後)
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条例改正から2カ月 申請件数は2件に留まる
旅館業法に関わる改正を行った福岡市条例は12月1日に施行されたが、1月末時点での申請件数はわずか2件にとどまっている。福岡市保健福祉局によれば、「問い合わせは130件を超えているが、新法の内容が決まるまでの見合いやカメラなどの費用負担がネックとなっていることが、申請までたどり着かない要因」だという。
申請第一号となったシェアリングホテル(株)(本社:福岡市博多区)の高橋延明氏は、「申請件数が伸びないのは旅館業法だけでなく、消防法や建築基準法など広範な知見が必要であることも大きな要因だろう」と話す。高橋氏は、16年8月から全国民泊同業協会の代表理事に就任し、国へ政策提言を行ってきたほか、今回の条例改正にも協会代表として関わってきたという。「福岡市は全国で最も民泊規制が緩和された都市。弊社は民泊という概念にとらわれることなく、ホテル不足解消に貢献していきたい。そのためにも、ホテル業界のLCCを目指し、既存住宅を活用した新業態の『レジデンスホテル』を開発しました」(高橋氏)。
同社では、17年中に400室を確保することを目標に掲げ、4月には福岡市天神5丁目のオフィスビルを改装した天神HATAGO(旅籠)(105ベッド)を開業する。
16年6月に公表された福岡市への観光客数は14年度時点で5年連続増加。3年連続で過去最高を更新した。さらに、宿泊客数も同じく右肩上がりで推移するなど、観光地・観光拠点として注目されている。
今年の通常国会に提出される予定の民泊新法(仮称・住宅宿泊事業法)は、年間営業日数180日以下の制限がかかるとみられ、大幅な規制緩和は期待できない状況だ。営業日数や宿泊人数制限が撤廃されない限り、「ヤミ民泊」は減るどころか宿泊者数の伸びとともに増加することが懸念される。福岡市の先進的な規制緩和が観光客数のさらなる伸びに貢献できるか、注目が集まっている。(了)
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