不動産とITを融合させ、仕組みをつくる(4)~インベスターズクラウド・古木大咲社長
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不動産業界が飲み込まれたリーマン・ショックを乗り越え、爆発的に業績を拡大させている(株)インベスターズクラウド。同社にとって、不動産とITとの融合は欠かせないキーワードだが、いかにして生まれ、今後どのような方向に進もうとしているのか。同社代表取締役の古木大咲氏に聞いた。
――これまでの事業展開についても、古木社長の創業マインドが色濃く反映されているように思います。
古木 ネットと不動産を融合させて、新しいビジネスをしたいというのが根底にあります。不動産はアナログで遅れていると感じる一方で、なんでもIT化すればいいとも思っていない。地道に対面で営業する部分も好きなんです。ですが、ネットとリアルが融合できていないのが実情だと思います。
アパート経営アプリ「TATERU」で好評いただいているのは、チャット機能です。不動産投資に興味がある方はたくさんいますが、不動産の営業マンに会いたいという人は極めて少ない。押し売りされそうという固定観念があるのでしょう。だからこそ、営業マンに会わずに、チャットで情報交換できるこの機能が重宝されています。アプリ上で、利用者は営業マンのプロフィールや販売実績、ユーザーレビューを見ることができ、それをもとに営業マンを選択することができます。これがネットとリアルの融合例だと言えますね。チャットでのやり取りだけで土地が売れることもしばしばあり、契約の際に初めて対面するというケースも出てきています。
――最後に古木社長にとって、会社経営とは?
古木 経営というものは、社長が信念をもって徹底できるかどうかではなく、組織の仕組みづくりが最重要事項だと思います。システムエンジニアが60名、現場スタッフが240名。社内にネットとリアルが混在しているわけです。社内のネットとリアルのコミュニケーション量が増えることで、双方が自然とアイデアを出し合い、フィードバックまで行われている。私が300名を引き連れているという実感はありません。
私は、常々「仕事は仕組みをつくること」だと表現しています。とにかく仕組みに依存させる。その仕組みをつくる部分を人間がやる。営業マンを叩き上げで育てるというよりは、使っているシステムを浸透させ、フル活用させることで、業績は伸ばせると考えています。
――ありがとうございました。
(了)
【文・構成:東城 洋平】<COMPANY INFORMATION>
(株)インベスターズクラウド
代 表:古木 大咲
所在地:東京都港区南青山2-27-25-7F
設 立:2006年1月
資本金:6億192万円
売上高:(16/12連結)379億1,500万円<プロフィール>
古木 大咲(ふるき・だいさく)
1979年9月14日生まれ。高校中退後、三和エステート(株)へ入社。2006年に現・(株)インベスターズクラウドを設立。代表取締役に就任した。15年12月に東証マザーズへ上場を果たし、16年12月には東証一部へ市場変更した。月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
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