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2019年04月23日 16:47

第3回「日中韓芸術展」開催~文化を通じて相互理解を促進!

 日中関係は2018年の中国李克強首相と安倍首相の会談以来雪解けムードにあるが、まだ本来の姿に戻ったとはいえない。そして今、日韓関係は政治的に「危機」の状況にある。

 しかし一方で、日韓両国の年間往来者数は2018年に初めて1,000万人を突破した。また、年間訪日外客数は約3,120万人で、その内中国約840万人、韓国約750万人で両国を合計すると全体の半分を超える。政治的・外交的に緊張や摩擦が生じている時にこそ、草の根レベルの文化交流によって、相互理解を深めることが重要になってくる。

 4月16日‐21日の7日間、第3回「日中韓芸術展」(共催:日中韓芸術展実行委員会、中国友誼促進会)が茨城県・つくば美術館において開催された。今回は日中韓3国友好のため、中国友誼促進会の陳智敏理事長が特別に大作3点を北京から出展、海江田万里衆議院議員も書画2点を特別出展し、会場に花を添えた。

画家の家に生まれ、幼少のころから美術を愛し、油彩画を嗜む

会場全景

 「日中韓芸術展」実行委員会 委員長として、開催の労をとったのは石郷岡彦江氏で第1回から第3回まで連続して委員長を務めている。石郷岡氏(筆名は翠微)は中国西安出身で、画家の家に生まれ、幼少のころから美術を愛し油彩画を嗜む。中国西安美術学院を卒業後、来日して、筑波大学美術専門彩画系で学んだ。(社)日本美術家連盟の会員であり、ほかに東京書画院理事、日本国際芸術研究院監事など複数の役職も務める。

 2011年には、北京人民大会堂にて開催された「第11回中国世紀大采風奨励盛典」において、『中国当代徳芸双声芸術家』の称号を授与された。2014年12月には、北京「世界華僑華人書画美術展」で優秀賞を受賞、開会式に招待されている。ほかに「クサカベ賞(日本)」「日韓美術賞(韓国)」など多くの受賞歴がある。

白西紳一郎元日中協会会長や鳩山友紀夫元内閣総理大臣との縁

 石郷岡氏は2017年の第1回「日中韓芸術展」開催は(故)白西紳一郎元日中協会会長、鳩山友紀夫元内閣総理大臣、国際政治学者・浜田和幸氏(元参議院議員、総務大臣政務官、外務大臣政務官)など多くの日中関係者の応援がなければ実現できなかったと語る。

 (故)白西紳一郎元日中協会会長とは、日中協会のレセプションでお会いして以来、事あるごとに大変にお世話になったと思い出を振り返る。鳩山友紀夫元総理とは鳩山会館で開催された「世界友愛フォーラム」(東アジア共同体研究所主催)でお会いして以来、お世話になっている。第1回の開催時には、中国から前日夜遅く帰国されたにも拘わらず、つくばまで駆けつけてくれたという。

開会式テープカット風景

 16日の開会式には(公社)日本中国友好協会、日中友好議員連盟、在日中国大使館文化部、在日韓国大使館 韓国文化院、(公財)日中友好会館、(一社)日本美術家連盟、茨城県、つくば市、(公財)つくば文化振興財団、全日本中国人博士協会など数多くの後援団体からの来賓があった。

 絵画や書で感性を刺激、頭をリラックスさせ、新しい発想を

 開会式の後、来賓の国際政治経済学者 浜田和幸氏に聞いた。浜田氏は、絵画・書に造詣がとても深くご自身でも筆を執られる。(以下、一問一答)

 ――先生は、第1回目から「日中韓芸術展」をご支援されていると聞いています。

 浜田和幸氏(以下、浜田) 私は長く日中、日韓の政治・経済に携わってきました。その経験から言っても、東アジアの3カ国が相互理解を深めていくうえで、絵画・書というのは、わかり易く、良いツールだと感じています。つくば市は、外国人も多い、宇宙航空研究、物質・材料研究、気象・環境研究など多くの研究機関がある研究学園都市です。科学者や研究者にとって、絵画・書などを鑑賞して、感性を刺激、また頭をリラックスさせることは、新しい発想を得るためにとても大事なことだと思います。

まずは未来の姿を想像・創造して描き、そのうえで現在に戻る

 ――最近、欧米のビジネス界では、「MBA」(経営学修士)より、「MFA」(芸術学修士)の学位としての価値が逆転しつつあると言われています。

 浜田 新しい世界をうまくマネージしていくためには、従来の延長線上にある教育・研究ではなく、理系や文系などの枠も取り払った、柔軟な発想が必要になります。今世界の大きな発想の流れは「未来から描く」です。まずは未来の姿を想像・創造して描き、そのうえで現在に戻り、未来への歩みを考えます。日本はいまだ伝統的な発想法に捉われこのような新しい流れに乗ることができていません。アメリカのGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)や中国のBAT(Baidu, Alibaba, Tencent)などは、そのような考えのもとに、経済や社会のプラットフォームをつくっています。このような「創造的破壊精神」の養成には、アート(美術・芸術)はとても大きな役割をはたすことができます。

ビジネスの成功にはアート、アートの拡大にはビジネスが

 ――最近はアート(美術・芸術)とビジネスの距離がより縮まった様な感じがします。

 浜田 これまでは、アートはアート、ビジネスはビジネスという感覚でした。しかし、これからの世界はビジネスに成功するためにはアートのセンスが必要で、アートを拡大するためにはビジネスのセンスが必要になります。たとえば住宅メーカーは、住む人の細胞を活性化させるためには、どんな色、どんな空間が好ましいのか、自動車メーカーは、安全運転にはどんなシートの素材、車内にはどんな香りが好ましいのか、など色々と研究しています。

来年からは、日中韓の3カ国それぞれの都市で開催したい

 開会式の後、会場近くの「ホテルグランド東雲」において、各賞(日中韓芸術賞、つくば市長賞、中国大使館賞など)の授賞式および懇親会が行われた。その席で、石郷岡実行委員会委員長は「来年からは日中韓の3カ国それぞれの都市での開催を検討したい」と抱負を語った。2020年はつくば市での開催に加えて北京市での開催を予定している。

浜田和幸氏とご令嬢のアーティスト 山田ゆかり氏(山田ゆかり氏の作品『協奏曲』の前で)
石郷岡彦江 実行委員会委員長(作品『赤富士』の前で)

 

【金木 亮憲】

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