2024年04月16日( 火 )

経営分離で安定した保育を実現 PayPayも導入~TACかわばた保育園

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 キャナルシティ博多と博多リバレインの間に位置する川端通商店街は博多どんたくや祇園山笠などで知られる博多でも古くから栄えた商店街。

 この商店街のなかという珍しい立地に平成30年2月に開園したTACかわばた保育園は、送迎用の駐車スペースはないが、地下鉄駅から商店街アーケードを通り、雨の日も濡れずに通うことができる。

 建物の敷地内はすっきりと広く、子どもたちがのびのびと過ごせる環境を整えている。保育対象年齢は生後90日から2歳児までで定員19名。保育時間は午前7時30分~午後8時30分で土曜祝日も開園。働く両親をサポートするための手厚い保育環境を整えている。

 同園を運営するのは (株)タックエンタープライズ(本社:福岡市博多区、吉田一貴社長)。コンパニオン紹介で業界先駆けかつ最大手として知られる同社だが、中洲の町の変化とともに、近年はレストランのホールスタッフや老人ホームなど介護系へのスタッフ紹介など業務を拡充し、働く女性を総合的にサポートする企業として成長を遂げている。

 そうしたなか、同社は子どもをもつ女性の社会進出を手助けするため、川端地区を中心に大手企業を始め地域企業と共同利用契約を結び企業主導型の保育園を設立した。

 認可外といえど、企業主導型は補助金を受けるために認可保育園並みの条件をクリアしなければならない。保育面は大手保育企業のサポートを受け、充実した保育を行っている。現場保育士は保育業務に専念してもらうため、同園の2階に事務所を置くタックエンタープライズが、外来者や共同利用企業、行政の対応など経営・運営面はすべて対応。保育管理についてはサポート企業が請け負い、それぞれで役割分担する体制を整えている。

 保育士の雑務を減らすため、PayPayも導入した。同園では月額保育料や延長保育料など継続的に発生するものは月締めで銀行引落し。一時保育などの不定期に発生する少額料金は、請求書発行や振り込みの手間も省くため、券売機でチケットを購入してもらうことで現金収受や金銭管理が極力削減できるよう取り組んできた。

 しかし券売機の釣銭補充や現金回収、管理などの業務が少なからず発生するため、不定期費用支払いにPayPayを導入。まだ利用者は少ないが、普及すれば保育現場で現金を管理する必要がなくなる。

 保育現場と経営を役割分担し、企業の経営感覚をもち込んだことも同園の特徴だ。保育士は現場保育に専念し、経営面はタックエンタープライズが行う。安定経営のために、サポート企業の助言も受け補助金制度の活用も含めた最適規模での運営。保育人数や定員、時間などは保護者側の利便性と、園の安定経営を最適なバランスでマッチングさせている。

 経営面が安定することで、保育現場の充実や保護者の利便性拡充に資源を集中させることができる。「働く女性を総合的にサポート」するためにスタートしている同園ならではの仕組みだ。

名 称:TACかわばた保育園
所在地:福岡市博多区上川端町5-112
対象年齢:生後90日~2歳児まで(4/1時点の年齢)
保育時間:午前7時30分~午後8時30分
開園日:月曜日~土曜日、祝日
保育料:20,000~35,000円/月
電話:092-261-3111
HP:https://kawabatahoikuen.tac21.co.jp/

【吉田 誠】

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