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2019年05月13日 09:22

「アートフェア東京2019」~3月の東京がアートで染まった!(前)

 3月7日‐10日の4日間、日本最大級の国際的なアート見本市、第14回「アートフェア東京(AFT)2019」(主催:(一社)アート東京、テレビ東京、BSテレビ東京、イープラス)が東京国際フォーラムで開催された。国内外から160軒が出展し、内閣府をはじめとする6府省庁、104カ国大使館、自治体などが後援、延べ入場者数が60,717人で出展者総売上は29億7千万円となり、ともに過去最高を記録した。

 都内3カ所(羽田空港、天王洲、六本木)でAFTサテライトイベントを開催、無料シャトルバスを運行、関東近郊の特別協力美術館15館やパートナーイベントとも連携して、文字通り、3月の東京がアートで染まった。総指揮をとった、來住尚彦(一社)アート東京代表理事・エグゼクティブプロデューサーに聞いた。陪席は墨屋宏明・マーケティング&コミュニケーションズ 統括ディレクターである。

(一社)アート東京 代表理事 來住尚彦氏

來住 尚彦 氏(右)と墨屋 宏明 氏(左)

東京でアートを中心にした新しいまちづくりを考えています

 ――お忙しい中、お時間を賜り感謝申し上げます。まずは、今年の「アートフェア東京2019」を振り返っていただけますか。

 來住 尚彦氏(以下、來住) 今年はチケット単価を昨年より上げさせていただきましたが(1dayパスポート当日券は3,500円5,000円)、開催4日間の延べ入場者数は60,717人と過去最高を更新し、出展者総売上も29億7千万円(出展者任意アンケートより推計)と過去最高を記録しました。チケット単価を上げさせていただいたのは、富裕層のマーケットを意識したというより、アートとしっかり向き合って、好きになってほしいと思ったからです。早割や学割なども用意し、人数の問題でなく、「アートフェア東京」を本当にアートが好きな人が集まるフェアにしたいと思っています。

 来年日本では東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。オリンピックは「スポーツと文化の祭典」です。文化の観点から、東京でアートを中心にした新しいまちづくりを考えています。そのために、今年はいろいろな種を撒くことができました。欲をいえばきりがありませんが、ほぼ満足のいく出来だったと思っています。これで、2020に向けて、進むベクトルが正しいという自信ももつことができました。

第2段階は、そのアート作品と「一緒にいたいかどうか」

 ――今、代表理事が言われた、「アートとしっかり向き合い、好きになってほしい」とはどのような意味ですか。

 來住 アートとしっかり向き合い、好きになることはとても重要です。私は恋愛と一緒だと考えています。第1段階は、アートと向き合って「好きか嫌いか」を判断する(恋愛でいえば相手の方との対面)、第2段階は、そのアート作品と「一緒にいたいかどうか」(恋愛でいえば付き合いを始める)、そして第3段階は、そのアートを「購入」(恋愛でいえば結婚)することになります。もちろん、アートは金融商品でもありますので、「好きか嫌いか」のベクトルと、「良いか、悪いか」(将来的に値が上がる商品なのかどうか)のベクトルもあります。いずれにしても、人生を、風のむくまま過ごすよりも、真剣に向き合って、「好きなもの、良いもの」を判断することは大事であると思っています。

 先ほど、チケット単価を昨年より上げさせていただきました理由で、富裕層のマーケットを意識したわけではないと申し上げました。人間の生活にとって最も重要なのは、「衣食住」であることは間違いありません。しかし、富裕層でなくても、衣食住にある程度満足できるようになりますと、アート作品を買う余裕ができてきます。私の好きな言葉の1つに、『贅沢なことが特別なのではない、特別なことが贅沢なのです』という文言があります。富裕層ばかりでなく、余裕のある層にはぜひ、アート作品を購入してほしいと考えています。

1300年の歴史がある日本・東京はすばらしいでしょう!

 ――世界最大級のアートフェアいえば「アートバーゼル」(バーゼル・マイアミ・香港)が有名です。これらのアートフェアと比較してアートフェア東京はどのような特徴があるのでしょうか。

 來住 私たちも自分たちの進んで行く方向を見定める意味もあって2015年にアジアのアートフェアのチェアマンが一堂に会した「Asian Art Forum」を開催しました。そこでは、将来的にバーゼルのようなインターナショナルフェアのシステムを導入するのか、あくまでもローカルのシステムでいくのかで意見が大きく分かれました。結論からいえば「アートフェア東京」はローカルシステムのイベントです。日本・東京ならではのギャラリストや美術商、日本・東京ならではのアーティストを大事にしていきたいと考えています。「1300年の歴史がある日本、そして東京はすばらしいでしょう」と世界に自慢したい気持ちが私の奥底にあります。韓国のアートフェア 「KIAF」や台湾のアートフェア「アート台北」などもローカルイベントの傾向が強いです。

 ただし、お客さまにとっては、バーゼルのようなインターナショナルフェア、「アートフェア東京」のようなローカルイベントのどちらも必要だと思います。ちなみに、来年の「アートフェア東京2020」は3月19日(木)~3月22日(日)で開催します。そして、「アートバーゼル・香港」は3月16日(火)~3月19日(木)に開催されます。恐らく香港にきた富裕層を中心としたアートコレクターの多くは東京まで足を伸ばしてくれるものと考えています。

(つづく)
【金木 亮憲】

<プロフィール>
來住尚彦氏(きし・なおひこ)

(一社)アート東京 代表理事・エグゼクティブ プロデューサー 
1985年早稲田大学理工学部卒業。(株)東京放送(TBS)入社。コンプレックスライブ空間「赤坂BLITZ」(1996年)を企画立案し支配人に就任。赤坂サカス推進部部長として、エンターテイメント施設と都市の共生をテーマに、複合エンターテイメント空間「赤坂サカス」(2008年)の企画立案、プロデュースを行う。2015年より国内最大級の国際的アート見本市「アートフェア東京」を主催し、芸術文化を通じた国際交流の場を創出。2016年より「日本のアート産業に関する市場調査」をアート東京として実施。アートを切り口に地域の魅力を外国人に紹介する「アートツーリズム事業」で地方創生に貢献。2017年には平成29年度戦略的芸術文化創造推進事業(文化庁)の「企画案選定委員会委員を務めるなど、現在に至るまで、芸術文化の拡充に幅広く寄与している。

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