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2019年05月14日 07:00

「アートフェア東京2019」~3月の東京がアートで染まった!(中)

将来のことを考え若手人材ともコミュニケーションが必要

 ――アートフェア東京2019では、東京国際フォーラム内に5つの企画が設けられました。

・「Galleries」ギャラリーズ:国内外で活躍するコマーシャルギャラリー・美術商が出展
(出展総ギャラリー160軒のうち138軒が参加、3,000点を超える作品)
・「Projects」プロジェクツ:これからのアートシーンで注目すべきギャラリーが1ブースにつき、1アーティストの個展形式で発表。
・「Future Artists Tokyo」:全国芸術系大学と連携し、学生選抜チームが作品制作そしてキュレーションから展示までを行う展覧会。19大学選抜38名、アートプロデュースを学ぶ7名の計45名の学生が参加。
・「World Art Tokyo」:駐日大使推薦により選ばれた各国代表アーティスト31名が参加する国際展。(104カ国の大使館から後援)
・「Crossing」クロッシング:ギャラリーや美術商以外で、日本のアートシーンを語る上で欠かせない分野の出展者が集合。(今回は日本を代表する百貨店3社と日本各地の文化と技術、数百年の伝統を今に伝える工芸団体の展示など)

 來住 「アートフェア東京」(AFT)の中心は「Galleries」です。しかし、今は十分にアートマーケットが回ったとしても、20年後のことはわかりません。若手人材とのコミュニケーションが必要です。そこで、「Projects」ができました。さらに、30年後、40年後を考えると、学生とのコミュニケーションも必要になります。そこで、「Future Artists Tokyo」が生まれました。日本には50を大きく超える美術系大学があります。しかし、アスリートとも似ているのですが、学生時代にかなり一生懸命勉強したとしても、卒業後はそれを生かせる道(アーティストなど)に進めるとは限りません。基本的に、大学は教育するところであって、ビジネスをするところではありません。そこで、彼・彼女らとビジネスの、橋渡しの空間として、このコーナーをつくりました。とても人気があり、参加大学は昨年の6大学から11大学へと大幅に増えました。

ロビーを往来する皆さまにアートに触れていただく機会を提供

 アートは、欧米、アジア、アフリカなど問わず、「世界共通言語」だと思っています。そこで、「World Art Tokyo」では、各国大使館に声をかけ、各国代表のアーティストを推薦いただいています。昨年の9カ国からその数は大幅に増え、今年は31カ国の駐日大使館がご参加くださいました。

 新しいセクションは「Crossing」です。東京国際フォーラムのロビーエキシビションエリアで展開しました。(入場無料)6万6千人以上の来場者がありました。チケットを購入して「Galleries」に入場していただかなくとも、アートフェアを楽しんでいただく機会をつくりたいと考えました。日本を代表する百貨店3社(西武・そごう、三越、大丸松坂屋)が出展し、ストリート・アートによる展示、多様なメディアを用いた展示、伝統技術を使用した現代アートなどそれぞれがまったく違ったアプローチで展示を企画しました。

 日本各地の文化と技術、数百年の伝統を今に伝える工芸団体の展示からは、地域の特色や歴史を現在まで引き継ぎながら、これらの日本文化をつくり出そうという試みを感じていただきました。さらに、アウトサイダーアートでは、多様なバッググランドをもちながら制作を続けているアーティストや、タレントアーティストによる既成の表現方法にとらわれない作品を展示しました。

都内3カ所でATF2019サテライトイベントを同時開催した

 ――東京国際フォーラムの外へも飛び出しました。

 來住 「3月の東京を桜だけでなく、アートの花も咲いている街にする」ことを目指し、さまざまなスピンアウト企画を考えました。都内3カ所で「アートフェア東京2019」のサテライトイベントを同時期に開催し、各会場(羽田空港を除く)をめぐるバスも運行しました。

・「Future Artists Tokyo 天王洲」(水辺の街で、国内芸術系大学と連携):全国11大学13名の作家が参加し、身近な人物を一瞬の眩しさと暗さのコントラストで描いた《Portrait H》など平面作品を中心に19作品を展示。
・「Future Artists Tokyo 六本木」(ギャラリーや美術館が集まる街で、国内芸術系大学と連携):展示会の湿度や温度、時間の流れによって表情が変化する作品《残り我》など10大学12名のダイナミックな作品を展示。
・「World Art Tokyo 羽田空港」(日本の空の玄関口で、大使館と連携):クロアチアのアーティスト ジョージア・ボーシックが、日本古来の太鼓や琴の音色から着想を得て屏風に描いた抽象画を、羽田空港第2ターミナルで展示。

 さらに、国立美術館2館を含む、特別協力美術館15館と連携、また同時期開催のアートフェア「Art in PARK HOTEL TOKYO 2019」「3331 ART FAIR TOKYO」とも連携いたしました。

(つづく)
【金木 亮憲】

<プロフィール>
來住尚彦氏(きし・なおひこ)

(一社)アート東京 代表理事・エグゼクティブ プロデューサー 
1985年早稲田大学理工学部卒業。(株)東京放送(TBS)入社。コンプレックスライブ空間「赤坂BLITZ」(1996年)を企画立案し支配人に就任。赤坂サカス推進部部長として、エンターテイメント施設と都市の共生をテーマに、複合エンターテイメント空間「赤坂サカス」(2008年)の企画立案、プロデュースを行う。2015年より国内最大級の国際的アート見本市「アートフェア東京」を主催し、芸術文化を通じた国際交流の場を創出。2016年より「日本のアート産業に関する市場調査」をアート東京として実施。アートを切り口に地域の魅力を外国人に紹介する「アートツーリズム事業」で地方創生に貢献。2017年には平成29年度戦略的芸術文化創造推進事業(文化庁)の「企画案選定委員会委員を務めるなど、現在に至るまで、芸術文化の拡充に幅広く寄与している。

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