2024年04月30日( 火 )

築40年超の空室目立った中古賃貸物件、全戸DIY可で入居待ちの人気物件へ(前)

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継承したのは古い賃貸マンション

 福岡市城南区樋井川、最寄り駅から徒歩40分の場所に、賃貸マンションがある。オーナーは、(有)吉浦ビル代表取締役の吉浦隆紀氏。

 農業を営んでいた祖父が、田畑にマンションを建築したのが、約40年前。人口増の時代は、何もせずとも部屋は埋まっていた。しかし、周辺人口が減少し始めると、次第に空室が目立つようになっていった。家賃を下げないと入居は決まらない。空室率20%、家賃滞納総額は500万円にも膨らんでいた。

 そんな状況で、今から4年ほど前、祖父からビル3棟を引き継いだ。

きっかけはニューヨーク

 引き継ぐ前の1年間、吉浦氏はニューヨークへ語学留学していた。住んでいたのは、築120年のマンションだった。にもかかわらず、そこには世界中から人がやって来ていて、相場よりも高い家賃でも人気のある住居だった。

 「建物が古いから人気がないのではなく、場所に魅力があれば、世界中から人が来るし、高い家賃を払ってでも住みたい人がいる」―そう思い出した吉浦氏は、部屋を見直すことを決めた。

 最初にモデルルームをつくった。4部屋をリノベーションしたのだ。3部屋は趣向の違う内装にし、残りの1部屋は「無」の部屋。つまり、スケルトンの部屋を用意した。この部屋だけ、「一緒に部屋をつくっていきませんか」という募集をかけた。

 最初に決まったのは、なんと「無」の部屋だった。「手づくりできる部屋に住みたいというニーズがある」―ここから、新しい募集はスケルトンで行うようになった。

(つづく)
【東城 洋平】

<COMPANY INFORMATION>
(有)吉浦ビル
代 表:吉浦 隆紀
所在地:福岡市城南区樋井川2-2-5 第2吉浦ビル1F
設 立:1972年11月
資本金:1,200万円
URL:http://www.yoshiura-build.jp

 
(後)

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