2024年03月29日( 金 )

創立70周年に向け、人材育成と次世代へのバトンタッチ~日建建設(株)

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30代でゼネコン社長に

 現代表の金子幸生氏の祖父、金子恒喜氏が戦後1946年に創業、50年に法人化したのが日建建設(株)の始まりだ。78年に実父・金子博樹氏が2代目を継いだ。2代目経営の後半からは民間受注へシフト。

 そして2002年、現代表の幸生氏が34歳の若さで3代目のバトンを受けた。

経験を糧に

 会社経営は一筋縄ではいかないもの。60余年の業歴のなかで、幾度も壁にぶつかってきた。金子幸生氏が代表となって、はや15年。その間も、悩みは絶えない。

 とくに苦慮したのが、先のリーマン・ショックだ。若さと勢いそのままに、自社のマンション分譲に進出。ところが、マンション工事の回収の見込みが立たなくなり、手を尽くしても、好転するどころか悪くなる一方。身を切る決断をし、ピンチからは抜け出せた。

 「経営者として舵を取っていくことの難しさを、改めて痛感した」と語ったが、取引先への感謝の念は強まった。この経験があるからこそ、思いをめぐらすのは「実績、信頼、ご縁」という言葉だ。当時のことを思えば、大抵の問題は小さく見えてくる。

70周年への最重要課題

日建建設(株) 金子 幸生 代表

 受け継いできた地盤、そして経験を武器に自信を深める金子代表だが、今後を楽観視はしていない。業界全体が活況であるこの時期に浮かれていては、数年後に予想される落ち込みに対応できないからだ。業界関係者の多くは、2020年のオリンピックを境に、急激に建設市場は縮小すると見ている。まさにリーマン・ショックの再来だ。来たる創立70周年が、2020年に当たる。そのころ業界がどうなっているのか、予測は困難だが、決定している方針は揺るがない。

 それは、自ら引き継いだ地盤を、次世代に託すこと。そのためには、人材の育成以外にはない。「不測の事態でも、決断力と行動力を発揮できる人材を育てていくことが70周年に向けての最重要課題だ」と金子氏。若くして代表となり、これまでに培われた経営手腕。苦難を共にした組織と一丸となり、節目を迎える準備は今も進んでいる。

【東城 洋平】

<COMPANY INFORMATION>
日建建設(株)
代 表:金子 幸生
所在地:福岡市中央区六本松3-16-33
設 立:1950年3月
資本金:5,000万円
TEL:092-731-2434
URL:http://www.nikken-co.jp

 

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