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2019年06月24日 10:17

「最賃賃金1,500円を全国一律で」、山本太郎氏が骨太方針を批判~大分

路上で市民と対話する山本氏(2019.6.22筆者撮影)

 新党「れいわ新選組」の山本太郎参院議員は22日、大分市内で街頭記者会見を開き、最低賃金1,500円を全国一律で実施する必要を訴えた。全国平均1,000円を目標に掲げる政府の「骨太の方針」を批判したかたちだ。

 街頭会見は商業施設「大分オーパ」付近で、午後4時半から約2時間半近く開かれた。ピーク時には200人ほどの市民が足を止め、質疑に参加した。

 男性から、同党が掲げる8つの緊急政策のうち「全国一律最低賃金1,500円が実現できるのか」と質問があった。同県の最低賃金は昨年10月から762円に引き上げられたばかり。「外国人の安い働き手があふれて、むしろ縮小するのではないか」との懸念を訴えた。

各国の最低賃金の在り方(2019.6.22筆者撮影)

 これに対し、山本氏は「762円は少なすぎる」と述べ、まず世界の在り方を見せた。ドイツ、ポルトガルなど9カ国が地域・業種・年齢を問わず全国一律に決め、ギリシャ、カナダなど12カ国は業種・職種で決めている。

 消費税廃止と最賃1,500円はセットであるとして、次のように述べた。

 「税金の滞納のうち、消費税が6割を占める。(廃止で)物価が5%下がれば、景気が上向く。これが続けば当然、中小企業の業績も上向き、無理のないかたちで賃金を上げられる状況に。足りない分は、国が出していく」

 昨年暮れに成立した改正入管法に触れ、「外国人を日本で働かせるには、日本人と同等以上の待遇にするというルールがある。賃金が同じなら、『日本人でいいか、コミュニケーションもスムーズだし』とならないか」と懸念を打ち消す。

 21日に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」には、最低賃金を全国平均1,000円に引き上げる目標の早期実現などが明記されている。山本氏はこれを念頭に、「1,000円で一年働いてもワーキングプアから抜け出すことはできない。それを『時給1,000円で』とドヤ顔で言われても困る」と批判した。

 時給1,500円だと、1カ月の収入は24万円程度になる。財源は、所得税の累進制強化や法人税の優遇措置撤廃および累進制導入など税制の変更と、新規国債発行の2段構え。

 「今や大企業は過去最高益を上げる中、労働者はコストカットされている。決して無理ではない」と強調する。

 最賃1,500円には、東京一極集中の是正への期待も込められている。

 「地方創生といいながら、どこへ行ってもしんどい状態を確認している。お金をつぎ込んでも、東京のコンサルタントに行って、地元に落ちていない。日本のどこにいても高めの賃金が受け取れれば、わざわざ都会に出る必要もない」

 人口と機能が全国に分散すれば、大災害が起きたときに補完機能をはたすことができ、安全保障上のリスク回避にもつながると補足した。

過去20年間の政府総支出の伸び率(2019.6.22筆者撮影)

 そのうえで山本氏は、「デフレが20年間続き、全員が削られ続けた。そんな国は日本以外ない」と述べ、百四十数カ国の政府総支出の伸び率のグラフを提示した。

 「経済政策をもって、そこから脱出させるのが政府の使命。需要が20年失われ、国が衰退していく。それを続けてきたのが今までの政治だ。与党も野党も戦犯ですよ」と向けると、拍手が起きた。

 「今やらなくて、いつやる。大胆な税制、消費税廃止をやらないと」と主張した。

消費減税による共闘を再度呼び掛け

21世紀のG7諸国の政府負債の増加率(2019.6.19筆者撮影)

 終盤、女性から「一般会計が100兆円超えているのに『財政カット』というのはおかしい」との意見があった。山本氏は「どの国も前年度比最高になるのが普通。成長するための投資だから」と答え、主要7カ国の政府負債の増加率や政府の貸借対照表を提示した。

 「プライマリーバランス、入ってきたものの中でしか国を運営していきませんだって。それで成功した国があるか。破綻してったじゃないか。あまりにも需要が足りない」と積極的な財政出動の重要性を強調した。

 さらに消費税に触れ、「このことに関して、自民党と変わらないことを言ってどうする。野党には、選挙に間に合うよう、減税くらい言ってほしい」と訴えると、拍手に沸いた。

 「応援してもらえませんか、枝野(幸男・立憲民主党代表)さんとかにエールを送って」と促した。

 20日までに、2億273万円の寄付が集まったことが報告された。来週中に新たな公認予定者を発表するとのこと。

 「国会のなかは、普通に話を合わせていたら、こんなに居心地のいい所はない。そのなかで、与党にも野党にも嫌な存在を拡大していきたい」と支援を呼び掛けた。

寄付金額を報告(2019.6.22筆者撮影)

<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)  

 1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。

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